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トレハロースがクロストリジウム強毒株進化を促進


「アルコールは発がん物質」は本当だった―米国臨床腫瘍学会が発表 (1月8日 まぐまぐニュース!)
アルコールは発がん物質
2017年11月、米国臨床腫瘍学会が、アルコールは発がん物質である、と述べて飲酒を見直すよう提言しました。
アルコールに発がん作用があることは、30年ほど前から、発がん物質についての研究を行っている権威ある国際機関が
報告しています。その国際機関は、アルコールを「人間に対する確実な発がん物質」と認定しています。しかしながら、
この事実は、多くの医学会からほとんど無視されていました。そのために、一般の人々のなかで、その事実が知るひとは
少なかったのです。そのような背景があったので、米国臨床腫瘍学会の提言は画期的なものでした。欧米の多くのメディア
はこのことを取り上げましたが、日本のメディアで取り上げるところはあまりありませんでした。アルコールが原因の一つ
であることが医学的に判明しているがんは多数あります。口腔がん、咽頭がん、食道がん、大腸がん、肝がん、そして乳
がんです。さらには、長期大量飲酒者がタバコを吸うと、発がんのリスクはかなり高まります。相乗効果となるのです。
アルコールと食道がん
アルコールによる発がんでは、特に体内でアルコールが直接接触する臓器で発がんのリスクが高まることがわかって
おります。例えば、推奨量上限の3倍もの飲酒を続けていると、食道がんを発症するリスクが8倍になります。アルコール
度数の高いお酒を飲むひとでリスクが高くなります。沖縄県ではもともと食道がんが多いことが知られています。度数の
高い泡盛がよく飲まれていたことも関係していると示唆されます。食道がんの5年生存率は10パーセント未満ですので、
その予防が大切になります。(中略)
アルコールががんをきたす機序
アルコールが発がんをきたす機序として、その代謝物であるアセトアルデヒドの作用が疑われています。日本人では
アセトアルデヒドを分解する酵素の活性が弱いひとがいますが、そのような人々では食道がんなどのリスクが高くなって
います。お酒を飲んだら顔がすぐに紅くなるひとは注意しましょう。また、そのような人にはお酒を無理に勧めないよう
にしましょう。(後略)

クロストリジウム菌論文紹介:食品に添加されたトレハロースがクロストリジウムの流行の
原因だった
 (1月7日 Yahoo!ニュース)
トレハロース
グルコースが2個結合したトレハロースは、温度や酸に強い糖として19
世紀に発見された。化学的特徴が優れており、しかもキノコを含む多くの
生物に存在していることから、安全で有用な糖として注目されてきた。
最初は1kg精製するのに700ドルもかかっていたのが、林原研究所に
より大量生産技術が開発され3ドルに低下したこと、そして米国FDAも
トレハロースが安全であると認定したことで、2000年前後より多くの
                     食品に添加されるようになっている。
クロストリディウム・ディフィシル(CD)
常在性の嫌気性菌で、健康人の腸内細菌叢に存在しているが、抗生物質に抵抗性を持っており、他の細菌が抗生物質で
除去され、細菌叢のバランスが崩れると、増殖して腸炎を起こす。 ただ、通常他の細菌に抑えられているCDが抗生物質
の助けなしに増殖することが知られており、これが流行性のCDに当たる。2000年以降、様々な国でこの流行が観察
されるようになった。様々な患者さんから分離したCDゲノムの解析からRT027,RT078株が強い毒性を獲得し世界的流行
の原因菌であったことも突き止められている。 RT027に関しては抗生物質耐性の原因遺伝子が突き止められているが、
RT078株については強毒化の候補遺伝子もわかっていない。さらに、流行は必ずしも抗生物質と関連しておらず、その
原因の追究が待たれていた。
論文で示されたこと
すでに述べたように、もともと毒性の強いCDの流行が起こらないのは、腸内で他の細菌との競争に晒されて増殖が抑え
られるためだ。逆にCDの流行は、何らかのきっかけでCDの増殖が他の細菌を上回ったことを意味する。この原因がCD
で利用できるが、他の細菌では利用できない食品に添加された炭水化物によるのではと着想した著者らは、様々な糖
の中からトレハロースが流行性のCDが利用して強い増殖を誘導する原因であることを突き止める。 そして、
1)流行性CDでは、低い濃度のトレハロースで、トレハロースを利用できるように分解する遺伝子treAが誘導される。
2)treAの誘導は両株で共通だが、RT027では分解酵素treAの誘導を抑える分子(リプレッサー)の突然変異により、
  一方RT078ではトレハロースを細胞内に取り込む分子(トランスポーター)が新たに現れた。
3)世界各地で独立に分離された流行性のCDで同じ変異が見つかる。
4)正常型のCDをトレハロースとともに培養すると、同じような変異体が誘導できる。すなわち、トレハロースの存在を
  利用できる進化が起こった。
5)トレハロースが存在しないと、変異株でも増殖優位性はないため、発病しない。
などを明らかにしている。
まとめと感想
この結果は、流行性のCDは、人間が人工的にトレハロースを添加した食べ物を食べ始めてから起こった病気であることを
示し、自然界にあるからと安全だと思ってしまうと、予想できないしっぺ返しが起こることを示す重要な例になったと思う。
確かにキノコなどトレハロースを自然に含む食品は多いが、流行の歴史から考えて、トレハロースの食品添加が始まった
時期と、流行が一致することから、やはりトレハロースの添加が原因と言っていいだろう。幸い、CDは他の細菌に対する
増殖優位性によって毒性を発揮するので、CD腸炎が疑われた時、トレハロースを含まない食事を与えることで回復できる
可能性を示唆している。臨床の現場で明日から実施可能なことで、是非この結果を念頭に置いて対応して欲しいと思う。

グルコースから成る二糖

世のなかには、危険に見えても意外に安全なものもあるし、安全なように思えても
実は危険なものもあるようです。まず、アルコールは発がん物質であるという発表
ですが、過去にもそのような報告はありました。酒のリスクについては、素人でも
おおかたの予想がつくので、酒は発がん物質だと言われても、あまりショッキング
ではありません。アルコール(エタノール)は体内で酸化されて、アセトアルデヒド
になります。アセトアルデヒドは反応性が高く有害な物質です(反応性の高い物質
は基本的に有害)。アセトアルデヒドが酸化されて酢酸になってしまえば無害なの
ですが、アセトアルデヒドを分解する酵素の活性が生まれつき弱いひとは、長時間、
アセトアルデヒドの血中濃度が上がったままになります。
やはり、「酒に弱い人は酒を飲むな」なのです。酒に強い人もほどほどに・・・
それに比べて、トレハロースが腸炎の原因物質だったというのは衝撃の報告です!
トレハロースはグルコースが1,1結合した二糖(通常、トレハロースといえば、α,α-
1,1結合したものを指す)。グルコースが結合した二糖として最も知られているのは
マルトース(α-1,4結合)。デンプンを食べると、唾液に含まれるアミラーゼにより、
デンプンの一部はマルトースに分解されます。マルトースは最終的に消化酵素により
グルコースに分解されます。一方、わたしたち人間は、グルコースがβ-1,4結合した
セロビオース(多糖になればセルロース)を分解することができません。ですから、
紙や綿を食べても栄養にはなりません。さて、トレハロースは、消化管内で酵素分解
され、グルコースとして吸収されます(トレハロース分解能力には個人差があるため、
多量摂取すると一時的におなかがゆるくなることもある)。また、トレハロースは
わたしたちがいつも口にしている多くの食品に含まれています。なかでも、キノコに
多く含まれているそうです。このようなことから、トレハロースは安全性の高い物質
だと思われていました。しかし、トレハロースは毒性の高いクロストリジウムを腸内
で増殖させる原因になっていたのです。健康な人はそれほど気にする必要はないので
しょうが、長期の入院患者(特に高齢者)にとって、院内感染は大きなリスクです。
抗生物質を服用している患者にとって、クロストリジウム・ディフィシル腸炎は非常
に恐ろしい病気なので、トレハロースの摂取は控えるべきでしょう。これまで、抗生
物質の服用が発病の原因だと考えられてきましたが、トレハロースの過剰摂取も
正常な腸内細菌のバランスを崩す原因になっていたのです!




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書籍の紹介

龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
 宇宙へつながる秘密基地

「みなみ」 今月のメッセージ

時間が流れるという概念を
受け入れたのは、
あなたがた自身。

プロフィール

舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:48歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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