東芝から学べること

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「第二の東芝」を生みかねない日本企業の危うい経営眼 (2月3日 Diamond Online ダイヤモンド・オンライン)
(前略)ホールディングス(持ち株会社)の社長の仕事は何だろう。それは2つである。
1つは、傘下の事業会社各社が最大限の成長をするように、目標設定を行い管理すること。もう1つが、それら事業会社を
選別して資金投入したり、M&Aによって入れ替えたりして、事業ポートフォリオをより魅力的なものに変えていく仕事だ。
問題は、この2つの仕事に必要な能力が、事業会社の社長の能力とは異質だということだ。能力が異なるのにもかかわらず、
大半の大企業では事業会社の社長の中から主に業績のよい人物を引き上げて、持ち株会社の社長や経営陣に据える。
そこで能力不足による経営事故が生じる。事業会社の社長に必要な能力は、前年よりも高い利益を上げることができるように、
組織に対してゴールを設定し、それを実行する能力だ。これは主に、自分の土地勘がある業界や事業において、自分が慣れ
親しんだ組織を率いる前提であれば、サラリーマン社長でも十分に機能する能力である。
一方で、持ち株会社の社長は、言ってみればたくさんの事業会社のオーナーである。いくつもの事業会社の持ち主(オーナー)
の立場で、1つ1つの会社がちゃんと金を稼いでくれそうか、きちんと成長してくれそうか、そして思わぬ損失を出さないか
を見極める能力が必要とされる。このとき、持ち株会社の社長から見た傘下の事業会社の社長との関係は、常に「騙される」
リスクをはらんだものになる。傘下の事業会社からすれば、将来性がピカピカに見えなければ資源も投資してもらえないし、
人材を抜かれてしまい、将来の成長がおぼつかなくなってしまう。だから持ち株会社に対してピカピカの事業計画を見せ、
あたかもそれを実現できるかのごとく振る舞うことで、本社から資源を獲得しようとする。実際は、その通りの計画達成
ができる事業会社もあれば、計画を絵に描いた餅で終わらせてしまう会社もあるのだが、すべての事業会社がピカピカの
計画を提示して、みな同じように「私の事業領域は魅力的でしょ、オーナー?」と呼びかけてくる。これを見分けてどこを
伸ばすかを判断する能力が、持ち株会社の経営者には必要になる。
経営者の眼力は確かか「0円で買える会社は怪しい」
なぜそんなことに気づかなかったか?

東芝の経営者が陥穽に落ちたのはこの点だ。
不正会計事件のときは、各事業会社の能力を見極め
られない経営陣が「チャレンジ」と称して実力以上
の高い目標を設定し、事業会社はそれに不正会計
で辻褄を合わすという事故が起きた。今回の問題は、
アメリカの子会社であるウェスティングハウスを
0円で買収した東芝から見れば、孫会社の原子力
サービス会社が、実は買収当時には知られていな
かった7000億円規模の負債を抱えていたことが発覚したわけだ。プロの経営者なら「0円で買える企業というのは何かしら
深刻な問題を抱えているはずだ」と考え、何らかの精査を行うはずだ。一方で、経営力のない経営者の場合は、「買収額
が低ければリスクは低い」といった間違った基準で経営判断をしてしまう。今回の減損が経営陣にとって「寝耳に水」
だったということは、買収時にそのリスクの存在を懸念する能力すらなかったことを意味している。東芝の大幅な減損
事件は、経営力不足から起こるべくして起きた事件ということになる。(後略)

日本企業は劣化したのではなく、もともといい加減だった(2016年4月6日 Diamond Online ダイヤモンド・オンライン)
(前略)「お金」ばかりを追っている金融業は浮わついた「虚業」だとしても、「ものづくり」を中核とする日本の事業
会社は、それなりに「しっかりしている」とされていた。例えば、経済団体(もはやなくてもいい存在だと思うが)の
トップは、金融業種から選ばれることはほとんどなく、事業会社のトップが就任して、格の高い勲章をもらうのが常
だった。しかし、原発に関する安全管理が結局のところできていなかった東京電力も、かつて経団連のトップを出して
いた企業だ。また、大規模な決算の誤魔化しに「チャレンジ」してそれが露見し評判が地に落ち、生き残りのために
のたうち回っているように見える東芝も、かつては経団連会長を出した「名門」だった(いまだに強制捜査の対象に
ならないのは「名門」だからなのだろう)。なお、東芝に関しては、先般の東芝メディカルの独禁法逃れとしか言いよう
のない売却過程も仕事の進め方が「粗末」だった。売るなら、必要な手続きに間に合うタイミングで物事を進める必要
があったし、そもそも、東芝メディカルは売るべき対象だったのだろうか。電機大手では、三洋電機はその名が消えた。
シャープは時間切れギリギリに偶発債務の問題を突かれて鴻海精密工業に買い叩かれた。かつて「技術のソニー」と
呼ばれたソニーにも旧日の輝きはない。他方、名門メーカーよりも財界的な序列は一枚落ちるが商社もひどい。
日本企業は劣化したと思うか財閥系の大手商社、三菱商事と三井物産は、
それぞれ今期決算に対して大幅な黒字予想
だったものを、3月に入ってから一転して赤字
に(三菱商事は連結純利益3000億円の黒字
予想を、1500億円の赤字に一回で修正した)。
資源関連の投資の減損処理が主な原因だが、
投資のリスク管理が十分できていたのか、また、
上場企業として情報の出し方が適切だったのか
(資源価格の下落は去年の段階で十分わかって
いる)、その「仕事ぶり」に疑問なしとしない。
小うるさい繰り言のようで恐縮だが、どうも「立派だ」とされていた日本企業のあちこちで、急激な「劣化」が起こって
いるように思えてならない。(中略)
一般社員と経営者層と、両方でインセンティブの劣化が起こっている。
いずれにしても、共にプロフェッショナルの意識を持つ、同僚どうしが、相互いに仕事の質を評価する中で、「恥ず
かしいことはできない」と思うような緊張感が、日本企業の仕事の「現場」から、後退しているのではないか。
前掲書の結論を踏まえると、「お金をたっぷり支払う」ことを現場単位まで導入する資力は日本企業にはなさそうだ。
さりとて、報酬が仕事のインセンティブとして大きな意味を持たないような世界で、「仕事」に対するプロフェッショナ
リズムに基づく緊張感を鍛え直すのも、難しそうだ。次善の策としては、せめて経営トップ層が、報酬水準も含めて
現場の社員ともっと近づくことだが、彼らは、当面、「ROE(自己資本利益率)」や「ガバナンス(企業統治)改革」
を旗印に、お友達の社外取締役を味方につけて、自分たちの報酬水準を上げつつ企業を経営することに忙しい。
「インセンティブ」は、プラスにもマイナスにも働く「くせ玉」だが、日本企業は、このコントロールに成功していない
ように思える。最近の「劣化」事例のなにがしかは、この要因で説明できるのではなかろうか。

 生え抜きの社長だから絶対にうまくいかないという
 わけではありませんが、事業会社のオーナーとして、
 投資のプロの視点を持っていないと、東芝のように
 大怪我をしてしまうことになります。この能力は、
 ひとつの組織、ひとつの事業に精通していたから
 といって身につくものではありません。いや、逆に、
 自分たちは「よく知っている」という思い込みから、
 大失敗をしてしまうことになりかねないのです。
そして、事業オーナーとしての判断ミスは、企業全体の決定的な失敗になります。
東芝のような失敗においては、社員はいくら努力してもどうすることもできません。
自分、自分の属する部署、関係する事業における努力の範囲を完全に越えています。
東京電力のような巨大企業でも、トップがミスれば「企業が終わる」時代なのです。
圧倒的な成功を収めた時期があり、「定石」と言われるセオリーを経営に取り入れて、
落とし穴にはまる。今や、このパターンは、教科書レベルです!
燃料切れで飛行機を墜落させるかもしれない熟練パイロットに、企業を任せること
のリスクを考え直すときです。未熟パイロットが失敗すればオーバーランですむかも
しれませんが、熟練パイロットが失敗すれば、飛行機は墜落してしまうものです。
とは言え、ゴーンさんを招へいする前に、何かできないのでしょうか?
少なくとも、現場と経営陣が意思疎通のできない状況を打破しなければなりません。
現場と経営陣をつなぐ複数の(多くの場合、非公式な)ラインを設けて、現場の知恵
を経営陣がうまく吸い上げる仕組みが必要です。東芝の社員のなかにも、「タダでも、
あの会社を買っちゃだめだ」と認識していた人はいたでしょうから・・・


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龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
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書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
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「みなみ」 今月のメッセージ

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プロフィール

舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:47歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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