ロシアができる高速炉開発に日本が成功しない理由

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核燃料サイクル政策の現状もんじゅ廃炉を正式決定 「夢の原子炉」に1兆円投入
(12月21日 朝日新聞デジタル)
政府は21日午後、原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖原型炉「もんじゅ」
(福井県敦賀市)の廃炉を決定した。使った以上の燃料を生みだす「夢の
原子炉」と期待された高速増殖炉は1950年代に計画されたが、もんじゅ
は相次ぐトラブルの末、1兆円以上の事業費を投じながら、わずか250日
しか運転できないまま、幕を下ろすことになった。同日午前には、西川一誠
福井県知事と松野博一文部科学相、世耕弘成経済産業相が協議会を開催。
政府側は、西川知事がもんじゅの総括や安全管理体制の整備に関する検討が
不十分と批判してきたことを受け、継続的な県との協議を約束。政府一体で
廃炉の指導などにあたる体制を構築することや、来年4月をめどに廃炉の
詳細計画を示すとして理解を求めた。だが、西川知事は廃炉作業の主体を
日本原子力研究開発機構が担う政府の方針について、「納得できる回答とは
言えない」と批判。協議会終了後の取材に対し、「(廃炉を)容認していない」
と語り、引き続き丁寧な説明を求める姿勢を強調した。政府はこうした地元の
意向を聞きつつ、もんじゅの廃炉を決定。あわせて、高速炉開発の継続方針
も確認した。(後略)


【主張】高速実証炉 「もんじゅ」の轍を踏むな (12月4日 産経ニュース)
高速増殖原型炉「もんじゅ」より一段階上の高速実証炉を開発するための工程表が2018年をめどに作成される運びとなった。
政府が開いた3回目の「高速炉開発会議」で示された計画である。年内の次回会合で正式に決まる見通しだ。年明けから作成
に着手し、18年以降の10年間に進めるべき開発の手順を1年間でまとめる方向になっている。資源貧国の日本にとって、
原発の使用済み燃料から得られるプルトニウムを燃やして発電する高速炉や高速増殖炉の開発は、エネルギー安全保障上、
必須である。その意味で、高速実証炉の開発方針の具体化を歓迎したい。だが、この開発戦略には大きな見落としが含まれている。
1兆円もの国費を投入しながら、20年以上にわたってほとんど稼働していない、もんじゅの敗因の解明が全くなされていない点
である。この検証をなおざりにして、実証炉の開発に進めば、もんじゅと同じ轍(てつ)を踏むことは火を見るよりも明らか
だろう。もんじゅは、超高速の中性子でプルトニウムの原子核を分裂させ、発生する熱を発電装置を回す蒸気発生器に伝えるのに、
液体の金属ナトリウムを使う。ナトリウムは水分に触れると発火するので扱いが難しい。それを理由に高速炉の実用化は困難と
する意見もあるが、ロシアは60万キロワットの高速増殖炉を1981年から運転しており、昨年の稼働率は86%を超えている。
80万キロワットのものも新たに稼働した。もんじゅの蹉跌(さてつ)の主因は、運営組織のガバナンスの問題なのだ。
2050年には、高速炉が原子力発電部門で重要な位置を占めるというのが国際的な観測だ。主要国がそのゴールを視野に入れて
いる中で、日本はもんじゅで自ら20年の遅れを来している。旧設計のもんじゅ再稼働に固執すれば、さらなる遅れとコストの
肥大を招くことになろう。ここは運営組織の刷新と国内外の英知の結集で、実証炉の建設に進み、遅れの挽回に努めるべきだ。
国は第5次エネルギー基本計画を来年策定する。その際、高速炉に関しては、福島事故後の現行計画で消えた長期計画を復活
させる気概が必要だ。それなしに、実用化までに長い年月を要する高速炉の健全な開発は進まない。

ロシア・ベロヤルスク原子力発電所では、2014年6月に臨界に達したBN-800
増殖炉が現在は商業運転を行っています。冷却材には「もんじゅ」と同じナトリウムが
使われていて、燃料には、ウランとプルトニウムの混合燃料であるMOX燃料を用いて
います。将来的には、通常の原発(熱中性子炉)の使用済み核燃料に中性子を照射する
ことで、マイナーアクチノイドと呼ばれる長寿命放射性同位体を焼却することも検討され
ており、これが実現すれば、環境負荷の小さい核燃料サイクルが確立します。
ロシアでできるのだから、技術立国の日本でできないことはないのではないかと思われる
かもしれません。しかし、現実的には、日本では難しいと言わざるを得ません。
なぜかというと、日本ではひとつの失敗も許されないからです。技術開発は、頭のなかで
できるものではなく、試行錯誤の連続になります。いくらシミュレーションをやっても、
実際にやれば、予想外の出来事が必ず起きます。ロシア(ソ連)の原子炉で、これまで
何件の重大事故が起こったのか知りませんが、BN-800の先行炉BN-600では、
実際にナトリウム漏れ事故を起こしています。ロシアでは日本より人口密度が低いこと
もありますし、多少の被害であれば国益を最優先させて住民を無視できる国だからこそ、
国家プロジェクトとして高速炉開発が推進できるのです。
新幹線は世界に誇る日本の技術ですが、現在の「のぞみ」の原型となる300系では、
導入後1ヶ月半で183件のトラブルが発生しました。新幹線が故障するとどうなるか?
線路上で動けなくなります!これくらいなら、「謝れば済む」話ですから、技術者は
トライ&エラーを繰り返しながら、製品を改良することができます。では「もんじゅ」
の場合はどうか?ひとつの失敗が重大事故に直結します。現実に担当者が自殺している
ことからも分かるように、失敗が絶対に許されない状況において、従来とは全く異なる
新しい技術の開発を進めなければならないのです。政府が何を言っても、これは無理。
テクノロジーとはそういうものです。そんなことより廃炉に専念すべきです。これまで
誰も高速増殖炉の廃炉作業をしたことがないのですから、簡単なことではありませんよ。


もんじゅの廃炉作業廃炉、遠い道のり=燃料搬出準備整わず-ナトリウム処理課題・もんじゅ
(12月21日 時事ドットコムニュース)
高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉が正式に決まったことで、
日本原子力研究開発機構は廃止措置(廃炉)計画を策定し、原子力規制
委員会の審査を受ける。承認されれば作業を進めるが、直近まで運転再開
を目指していたこともあり、核燃料を全て搬出する設備や、放射性廃棄物
となる1次冷却系ナトリウムの保管先などは整備されていない。廃炉に
向けた道のりも、遠く険しいものになりそうだ。もんじゅの原子炉容器内
には現在、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料198体と、
劣化ウラン燃料(ブランケット燃料)172体の計370体がナトリウム
の中で保管されている。燃料は互いに支え合う形になっており、1体ずつ
抜いていくことはできない。燃料を抜いた所には模擬燃料を入れ、置き
換える必要がある。過去に一部の燃料を交換した実績はあるが、現時点
で全部取り出すのに必要な370体の模擬燃料は用意されておらず、200体しかない。点検も必要で、すぐに搬出作業に取り
掛かるのは難しい。冷却材のナトリウムの扱いも課題だ。もんじゅには1次系など放射能を帯びたナトリウムと、放射能を帯び
ていない2次系などのナトリウムが760トンずつある。いずれの系統も全量を抜き取って保管する設備や場所がない。政府が
進める次期高速炉開発計画では知見の獲得に向け、もんじゅのナトリウム系を活用する案も検討された。規制委の担当者は
「燃料取り出し後、施設の再利用が認められないわけではない」とする一方、「ナトリウム自体が放射性廃棄物になるので、
廃棄物管理をきちんとすることが前提だ」とくぎを刺す。もんじゅでは原子炉以外にも、炉外燃料貯蔵槽にMOX燃料121体、
ブランケット燃料39体の計160体がある。ナトリウムを洗い落とし、容器に密閉して水中保管されている使用済み燃料も
2体ある。使用済みMOX燃料を再処理できる施設は国内になく、これらの保管や処分も問題になる。



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龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
 宇宙へつながる秘密基地

「みなみ」 今月のメッセージ

対馬(津島)と神津島
を結ぶライン上に、
沖ノ島があるの。

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舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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