基礎研究を究めた大隅氏のノーベル賞

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酵母のオートファジー【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】
栄養を再利用…「オートファジー」って何?

(10月4日 産経ニュース)
成人は1日に160~200グラムのタンパク質を体内
でアミノ酸から合成し利用している。だが、食事などで
摂取するタンパク質やアミノ酸は1日わずか60~80
グラム。不足分の調達に大きな役割を果たしているの
が、細胞内で劣化したタンパク質などを分解し再利用
する「オートファジー」だ。新生児も生まれた直後は
オートファジーで栄養補給する。胎盤から離れると
母親から栄養を得られず飢餓状態に陥るため、自分の
細胞内のタンパク質を分解して生き抜いているのだ。山などで遭難した人が、水だけで何日も生き延びられることがある
のも、オートファジーのおかげだ。大隅良典氏の研究で、こうした飢餓の解消だけでなく、細胞内の老廃物を分解する
浄化や、侵入した細菌や異物を分解する防御など、複数の重要な役割を担うことも判明した。生体内の主な浄化機能
には、オートファジーのほか不要な細胞を「自殺」させるアポトーシス(細胞死)と、細胞内の不要なタンパク質を
見分けて分解するユビキチン・プロテアソーム系がある。それぞれ欧米の研究者が発見し2002、04年にノーベル
賞を受賞した。大隅氏が「第3の浄化機能」で受賞に輝いたことで、日本の細胞生物学のレベルの高さが示された。
オートファジーは多様な病気との関連が研究され、国際競争が激化している。日本の研究者は、オートファジーの異常
が神経疾患や生活習慣病などを起こすことを動物実験で解明し、リードしてきた。
ただ、がん治療への応用では米国が先行している。がん細胞は抗がん剤によって死滅しそうになると、オートファジー
を悪用して生き残る性質がある。臨床の規制が緩い米国では、この性質を利用してオートファジーの阻害剤をがん患者
に投与する治験が既に始まっている。このままでは日本の優位性は保てない。
山中伸弥京都大教授が12年にノーベル賞を受賞した人工多能性幹細胞(iPS細胞)に国は多額の研究費を投入。
審査迅速化で臨床研究を加速し実用化を後押ししている。オートファジーも将来、大きな医療市場を生み出す可能性
が高い。日本が優位性を確保して持続的な経済成長に役立てるためにも国は支援策を急ぐ必要がある。

基礎研究を究められた大隅氏のノーベル賞受賞は、同じように、不思議だと思った
こと、興味を持ったことを徹底して研究する姿勢を貫いている研究者の大きな励み
になるものと思います。基礎研究をやるのなら、世のなかに役に立つかどうかなど
考えず、オンリーワンになることを目指してほしいものです。基礎研究者にとって
最も言われたくない言葉は、「世界一になる理由は何があるんでしょうか、2位で
はダメなんでしょうか?」ではないでしょうか。こんなに短い言葉で、基礎研究の
息の根を止めるとは・・・基礎研究をやっていればそれが応用につながり、やがて
社会に貢献できるから基礎研究は重要なんだというのも、危険な発想です。実際、
10年スパンで考えれば、基礎研究はサイエンスの世界での成果にとどまるものが
多いですし、先進的であればあるほど、そうなるでしょう。基礎研究を応用研究
の前段として位置づけるのは適当ではありません。費用対効果の観点からみれば、
基礎研究はやめたほうがいいという結果になるでしょう。基礎研究は、長期的に
見れば社会に貢献していますし、短期的に見れば、新しい知見でいいのです。
といっておきながら・・・直接的に人の役に立つ研究も大切です。
そして、儲かる研究も・・・新薬は病人を救い、大きな利益につながります。
とはいえ、新薬の開発に基礎研究の成果を利用できると決めつけるのは危険です。
例えば、病理学の知見から、ベータアミロイドがアルツハイマー病の原因では
ないかと考えられています。しかし、ベータアミロイドを標的にしたアルツハイマー
病の新薬開発が成功したという話は聞いたことがありません。
アルツハイマー病になると、ベータアミロイドとタウタンパク質の蓄積が進み、
それが原因で脳神経細胞が死滅して病状が悪化します。しかし、ベータアミロイド
は病気の主因ではなく、まだ明らかになっていない真の原因があるのではないで
しょうか?複合的要因が複雑に絡み合っているのかもしれません。
実用化では、基礎研究のような「こだわり」が成功を妨げるケースも多いのです。


アミロイドとオートファジー飢餓により誘導されるオートファジーに伴う
“細胞内”アミロイドの増加を発見
―過度な食事制限はアルツハイマー病を加速
する可能性を示唆―
(2015年7月14日
日本医療研究開発機構プレスリリース)
研究成果の意義
本研究により、脳神経細胞においても飢餓誘導性
オートファジーが存在し、さらにマクロオート
ファジーの活動性には日内変動があることを示し
ました。さらに本研究成果は、アルツハイマー
病態におけるオートファジーの活性化が細胞外
から細胞内へのベータアミロイドの取り込み促進
に働くものの、細胞内部でのベータアミロイドの
分解処理には不十分であり、むしろ細胞内にベータアミロイドが蓄積して細胞膨張を伴う細胞死につながる可能性を強く
示唆しています。今日では、過度なカロリー摂取などの生活習慣がアルツハイマー病進行を早める要素であることが広く
認められています。しかし、脳内で細胞外のベータアミロイド濃度がある程度高まった後では、むしろ、カロリー制限に
よってオートファジーを過度に活性化することがアルツハイマー病態を悪化させるリスクとなることが、本研究成果から
想定されます。これは、食習慣を通じた認知症予防・治療を今後進める際に重要なポイントと考えられます。また、
アルツハイマー病のゲノムワイド関連遺伝子解析(GWAS)においてオートファジー関連遺伝子が優位な相関を示してい
ることから(Lipinski et al, Proc Natl Acad Sci USA, 2010)、アルツハイマー病においてオートファジーが機能不全
に陥っている可能性も疑われます。この点も、カロリー制限による過度なオートファジー促進がアルツハイマー病の
増悪因子となりうることを示唆しています。(中略)
さらに本研究成果は、細胞内ベータアミロイド蓄積が細胞死を経て細胞外での蓄積のシードとなる可能性も示唆しており、
細胞内外のベータアミロイド沈着と細胞内のタウタンパク質沈着を結ぶアルツハイマー病の総合的な理解への布石となる
知見とも考えられます。

認知症の通念揺らぐ、「アミロイド蓄積説」健康な人に通用せず (7月14日更新 WELQ ウェルク)
「アミロイド蓄積説」は当てにならないのかもしれない。認知症の発症には従来、脳内のアミロイドβと呼ばれるタンパク
質の蓄積が関わるとされる。このたび健康な人を調べたところ、確かに遺伝子とアミロイドβとの関係はあったものの、
認知能力の低下とは関係していないと分かった。
認知症のない人を調べた
米国ミネソタ州に本部を置く総合病院メイヨー・クリニックの研究グループが、米国医師会が発行する神経学分野の
国際的専門誌ジャマ(JAMA)ニューロロジー誌2015年5月号で報告した。研究グループは、30歳〜95歳の認知症のない
1246人について、認知症に関係する要素を2006年3月〜2014年10月に調査した。調査した項目としては、年齢と性別、
記憶力の状態、記憶力に関係する脳の部分である「海馬」の体積、認知症のなりやすさと関係する遺伝子で、アポリポ
タンパクEの複数ある種類のうちの一つである「APOEε4」を持つかどうか、PET検査による「アミロイドβ」の蓄積の状態。
記憶力とアミロイドβは無関係
その結果、全体的に、記憶力は30歳代から悪化し始め90歳代まで悪化を続けていた。全体的に記憶力の衰えは、女性より
も男性の方が大きく、特に40歳以降で顕著だった。海馬の体積は30歳代から60歳代半ばまでは徐々に小さくなって、それ
以降は急激に縮小していた。全体的に海馬体積の減少は、女性よりも男性の方が大きい。特に60歳以降に顕著だった。
男性でも女性でも、全ての年齢において、APOE ε4を持っているから記憶力が大きく下がるという差はなかった。
アミロイドβの蓄積の程度は、平均値は70歳代までは低いが、それ以降は増加していた。70歳以降では、APOE ε4を
持っている人では、持っていない人よりもアミロイドβの蓄積が多いと見られた。10%の人たちがアミロイドβ陽性と判定
される年齢はAPOE ε4を持っていると57歳、持っていないと64歳だった。
「通念に異議を唱えている」
遅発性アルツハイマー病では、生来の認知能力の低下を背景に、アミロイドβが加齢とともに蓄積していく。今回の調査に
よると、認知能力の低下は、加齢と関連しているが、アミロイドβの蓄積とは関係していなかった。ジャマ・ニューロロジー
の論説では、「アミロイドβの蓄積が全ての年齢を通じて記憶力と関わっているという通念に異議を唱えている。認知症の
ない正常な脳の加齢プロセスに関する知識を広げてくれた」と称賛している。認知症の背景は依然としてはっきりしない。



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龍女「みなみ」からあなたへの
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「みなみ」 今月のメッセージ

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舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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