テクノロジーをサイエンスより上位に位置づけよ


「失われた20年」教訓に飛躍のとき (8月3日 日本経済新聞web刊)
停滞続いた原因は何か
(前略)最後は、平成に入ってからの停滞期である。バブルの崩壊で地価や株価が急落。失われた10年は
いつの間にか20年になり、25年に及ぼうとしている。名目GDP(国内総生産)の最高が97年であることが
何よりもそれを物語っている。国際通貨基金(IMF)によれば、2009年には中国に抜かれて世界第2の
経済大国の地位をゆずり、14年には名目GDPで中国の半分になってしまった。
復興・成長の昭和と停滞の平成は、世界の政治経済システムのうつし絵でもあった。
冷戦構造のもと圧倒的な優位をほこった米国に追随したかたちで軽武装重商主義が許されたのが昭和だった。
平成になると、冷戦崩壊から、世界の中の日本として経済力にみあった応分の負担や国際貢献を求められた。
自衛隊も海外で活動するようになった。とりわけ、ここ10年、中国が台頭し、米国の影響力が相対的に低下して
世界経済もG7からG20の時代になった。世界の権力の移行がどんどん進んでいる。その中で日本の低迷が
なぜここまで続いたのか。原因を考え、しっかりとした対策をとっていくことが次への飛躍につながるはずだ。
第1にいえることは、日本経済の足かせとなった不良債権の処理が遅々として進まなかったように、常に一時
しのぎで切り抜け、根っこの問題を先送りしてきたことだろう。既得権益にメスを入れることができず、
岩盤を打ち砕けなかった。その結果が1000兆円をこえる借金を抱えてしまった財政にあらわれている。自民党
長期政権でつちかわれた政官業の三角形は決して完全に破壊されていない。構造改革は中途半端なままだ。
第2は政治のありようである。平成になって生まれた首相は安倍晋三氏までで16人。小泉純一郎首相のあと
民主党政権の野田佳彦首相まで6人が1年交代だった。とりわけ問題だったのが衆参のねじれ現象だ。
はじまりは1989年の参院選である。決まらない政治の原因となった。短命政権で政治のリーダーシップが
期待できず、外交力も弱体化させた。
成功体験捨て成長探れ
第3は、企業がグローバル化で後手に回りデジタル化の波にも乗り遅れたことだ。高度成長期の成功体験
から抜け出せず、国内や欧米の市場が中心で、成長する新興国を取りこめなかった。多様な人材の活用も
進まずイノベーションのチャンスを逃した。その結果、産業構造の転換が遅れ新たな企業も育たなかった。
日本企業は輝きを失ってしまった。政治家がリーダーシップを発揮し、既得権益を打破して岩盤をくりぬき、
企業はグローバル化・デジタル化に対応した体質に自らを鍛え直し、経済を成長させる――。
くみ取るべき「失われた20年」の教訓はこうした点に集約できるのではないだろうか。
安倍政権がアベノミクスをかかげ帆をあげて2年7カ月。政治的な資源を経済に集中していけば、ようやく
幸運の女神の前髪に手が届くところまで来つつある。要はいかに日本の国の力を増していくかということだ。
戦後70年、ここで跳べなければ待ちかまえているのは「失われた戦後日本」という悲惨な結末に違いない。

ピケティの式

失われた20年の式失われた20年のどの記事を読んでも、
本当の原因が見つかっていない気がする。
そこで、ひとつの仮説をつくってみた。
この20年間、日本では、サイエンスは
進化を続けたが、画期的なテクノロジーはほとんど生まれなかった。
ピケティのように数値化することはできないが、日本の現状を示すと、
このようなイメージになる(s>t)。それ以前は、サイエンスは
欧米に任せて、テクノロジーを生み出すことで産業が発達した。
実はここ20年、世界でも、ITを除けばそれほど大きな進展はなかった。
しかし、ITはあらゆる産業への波及効果を持っていたため、IT化により
多くの産業に新しい付加価値が生み出された(日本は乗り遅れた)。
サイエンスとテクノロジーは非常に関連性が高い。
しかし、なぜかサイエンスを上位に置いて、テクノロジーが後にでてくる。
例えば、生命科学。日本発の生命科学の新しい知見は数多くあり、世界有数
の業績も挙げている。しかし、産業へ寄与は驚くほど小さい。
ちょっと話は古いが、任天堂は、WiiにMEMS(微小電気機械)デバイス
を用いた加速度センサーやジャイロセンサーを搭載することで、体を動かして
ゲームをする方法を考え出した。これがテクノロジーである。
MEMSの原理をいくら追究しても、Wiiを生み出すことはできない。
ニーズを満たすための技術開発を進めていくだけでなく、ニーズを生み出す
技術開発が必要。戦後の日本は、テクノロジー重視で成功してきた。
しかし、フロントランナーにならなければならないということで、国をあげて
サイエンスに力を入れてきたが、産業に与える効果は大きくない。
生命科学の知識からではなく、ナノテクノロジーの応用としてバイオを
位置づけたほうが、産業としてのバイオテクロノジーの発展は期待できる。
サイエンスとテクノロジーは別モノであるという見地に立たないと、日本は
優秀なサイエンティストと貧弱なテクノロジストからなる国になってしまう。
サイエンスに実用的成果を求めることはできないし、そうすべきでもない。
優秀なサイエンティストをいくら集めても画期的なテクノロジーは生まれない。
日本の国策では、サイエンスとテクノロジーの区別さえできていないようだ。
「研究開発成果を産業振興に結びつける」というアイデアではこれまでどおり
うまくいかないだろう。「ビジネスモデルにのったテクノロジーを実施する
ために、必要に応じてサイエンスを借用する」という発想が求められる。
国の競争力要因は、サイエンティストではなくテクノロジストである。
本当に優秀な人には、サイエンティストではなく、(画期的なテクノロジーを
生み出す)テクノロジストになってもらわなければならない。
サイエンスがテクノロジーを生むという発想を捨て、テクノロジーがサイエンス
を牽引するのでなければ、日本はさらに沈没するかもしれない。


 -「経営学の巨人」の名言・至言(週刊ダイヤモンド)
 先進国にとって唯一の競争力要因はテクノロジスト 『明日を支配するもの』より
 「きわめて多くの知識労働者が知識労働と肉体労働の両方を行う。そのような人たちを
 テクノロジストと呼ぶ。テクノロジストこそ、先進国にとって唯一の競争力要因である」
 (『明日を支配するもの』)
 知識に裏付けられた技能を使いこなす者が無数に必要とされるようになった。それは技能者
 というよりも、「テクノロジスト」である。ドラッカーは、若者のなかでも最も有能な者、
 知的な資質に最も恵まれた者、最も聡明な者にこそ、テクノロジストとしての能力
 を持ってほしいという。先進国の一員であり続けたいのならば、ものづくりから離れる
 など、もってのほかである。純粋の知識労働者を持つだけでは、最先端を進む
 ことは不可能であるからだ。物理学、生化学、高等数学の知識について国境はない。
たとえばインドは、その貧しさにもかかわらず、質量ともに、世界最高水準の医師とコンピュータープログラマーを
擁する。他方で知識の裏付けはないが、低賃金でも働く肉体労働者は途上国に豊富にいる。じつは、今日のところ、
テクノロジストによる競争力優位を実現しているのは米国だけだという。「テクノロジストについて体系的で組織
だった教育が行われているのはごくわずかの国でしかない。したがって今後数十年にわたり、あらゆる先進国と
新興国においてこのテクノロジストのための教育機関が急速に増えていく」(『明日を支配するもの』)




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書籍の紹介

龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
 宇宙へつながる秘密基地

「みなみ」 今月のメッセージ

対馬(津島)と神津島
を結ぶライン上に、
沖ノ島があるの。

プロフィール

舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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