41-2 古事記と三位一体


『中空構造日本の深層』から日本を考える(1):河合隼雄の卓見と誤謬 (2013年1月30日 Fugenのブログ
文化的な特徴を神話によって分析する手法がユング心理学では採用されています。
斯界の権威であった故河合隼雄は、西欧文化を「中心統合構造」、日本文化を「中空均衡構造」と
定義していて、極めて優れた論考をしています。
西欧文化の「中心統合構造」とは、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教のように、唯一絶対神を中心として
全体統合される文化です。(中略)
一方で、河合隼雄が日本文化を「中空均衡構造」とよぶのは日本神話の特徴を分析した結果、日本神話では、
偉大な神は3柱(トライアド)で、中心になる最も偉大な1柱の神は無為の神とされているからです。
例えば日本神話では、「天の岩戸」や「ヤマタノオロチ退治」など固有の神話をもつアマテラスとスサノヲの
良く知られている2神がいます。その他に、ツクヨミという、自分の神話を持たないもう一人の無為の偉大な神
がいて、アマテラスとスサノヲの対立を均衡させるというのが日本神話の基本構造で、そのため
「中空(無為の神を中心にして)均衡(他の2神の対立をバランスさせる)構造」だと河合隼雄は主張しています。
確かにこれが、日本神話の基本構造であることは明らかです。他の例をあげれば、
三神タカミムスビ・アメノミナカヌシ・カミムスビの中で一番中心で偉いはずのアメノミナカヌシは神話をもたない
無為の神ですし、また、天孫ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの間に生まれた三神は、海幸彦こと
ホデリノミコト(火照命)、ホスセリノミコト(火須勢理命)、山幸彦ことホオリノミコト(火遠命)なのですが、
海幸・山幸兄弟のことは伝承されているのに、中心にいて一番エライはずのホスセリの話は神話には
ほとんど語られていません。(中略)
河合隼雄が日本神話構造を、「偉大な神は3柱(トライアド)で、中心になる最も偉大な1柱の神は無為の神」と
明確にしたのは、まさしく卓見です。ただし、「中空(無為の神を中心にして)均衡(他の2神の対立をバランス
させる)構造」としたのは、原因と結果を取り違えた勘違いです。その証拠に、松岡正剛がいうように、
「中空構造論は本気で議論されてはいない。」のです。なぜなら、「神社の中心は空っぽ」だとかいってみても、
日本の社会現象なり、日本人の特質を論じる基盤にならないからです。
日本の文化構造とは、「中空均衡構造=無為の神を中心による均衡する」ではなくて、
「均衡導出構造=合意形成により落としどころを定める構造」だと、私は思います。

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古事記トライアッド


河合氏が主張されているように、日本神話に登場する偉大な神は3柱(トライアド)であり、中心になる
最も偉大な1柱の神は無為の神です。その代表例は、やはり、前記事でも紹介しました三貴子でしょう。
しかし、上の図に示している綿津見三神、住吉三神、宗像三女神では、三神は同格であるように思います。
このような三神は日本独特のものではなく、キリスト教の「三位一体」と共通したものなのではないでしょうか?
河合氏は日本と西洋の「文化の違い」を明らかにすることで、日本人の心を知ろうとしているのでしょう。
一方、この記事で目指しているのは、文化の違いを超えた共通点です。なぜなら、そこには、
人間に依存しない真実があるのではないかと考えられるからです。
古事記において最初に現れたとされる神は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、
高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、神産巣日神(かみむすひのかみ)であり、これらの神様をまとめて
造化三神と言いますが、確かに、ここでも、全ての中心となる神と思われる天之御中主神に関する記述は
ありません。しかし、この三神は別々の独立した存在なのでしょうか?
キリスト教徒でない多くの日本人にとって、「三位一体」は3つの別々のものを1セットにしているように思って
しまいますが、そうではありません。キリスト教における三位一体は、人間が充分に理解することが不可能で、
よって説明することも不可能な概念であるようです。少なくとも3つの神が存在するというのではなく、
3つの神格を持つひとりの神を説明しようとして用いられる概念であるとのことです。
日本の神話における「三神」も、単に「三柱を集めてひとまとまりにしたもの」ではないのかもしれません。
古代中国では「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず。」と言われ、
易では、「易の書たるや広大悉く備わる。天道有り、人道有り、地道有り、三才を兼ねて之を両にす。
故に六なり。六とは它に非ず、三才の道なり」とされているように、「3」には特別な意味がありそうです。

さて、ここからは前記事の続きになります。「スペード、ダイヤ、クラブ、ハート」の「A」を「陰陽筒」上で
どのように回転させるかについては、後日、考えることにしますが、前記事の下の図で、上から3段目の
左右のトランプの配置は同一になっています(図では別物に見えますが、筒にすると同一です)。
前記事における陰陽筒での回転では、ひとつの配置は二回転のうちに1回しか現れてはいけないのです。
では、トランプにおけるひとつの配置が二回転のうちに3回現れるようにする(つまりはスピンが3/2)
には、どのようにすればいいのでしょうか?
それを実現するために、下の図では3つの陰陽筒においてそれぞれにトランプ(スペードとハートのみを
表記)を置いて、3つが連動して二回転させる方法を考えてみました。
これですと、2/3回転ごとに同じ配置が現れるので、二回転で3回同じ配置が現れることになります。
問題は、これはトランプが3セットあるのではないということです。
絵で示すとトランプが3セットあることになってしまいますが、実際は1つのトランプ(ここではスペードに
注目することにします)が3つに分割されていると考えてください。いや、分割されているという表現では、
ひとつの筒にあるスペードが1/3の大きさになっているような感じがしてしまいます。
そうではなくて、ひとつの筒だけみると完全な形のスペードがあるのです。いや、でもそうすると、
やはりスペードが3つあることになってしまいます。では、ひとつの筒には1/3の確率でスペードが存在
しているということにすればどうでしょうか。一応、説明としては可能であるような気がします。しかし、
1/3の確率で存在するとはどういう意味でしょうか?
最も短い時間の単位があって(それを1periodとする)、1periodはひとつの筒にスペードが存在していて、
その後の2periodは別の筒にスペードが存在しているということになるでしょうか?
そうなると、単に点滅しているような状態ということになり、それはそれでちょっと違うような気がします。
やはり、スペードがどこに存在しているかは決められないのであって、全体としてみれば1つのスペードが
確かに存在しているのです。こうなると、ひとつのスペードがわたしたちには3つに見えているだけのようにも
思えてきます。これは「三位一体」と似ているのです。
結論としては、スペードが3つあるように描かれてしまうのは、そうしないとわたしたち人間が理解できない
からであって、3つのスペードがあるわけではないのです。
わたしたちには世界の全体像を認識することは不可能であって、メタファーとして部分世界が積み重なって
いるような世界をイメージすることで理解することしかできないということで、納得することにしましょう。
古事記に登場する三神のなかでも、造化三神、綿津見三神、住吉三神、宗像三女神については、
「三位一体」と同様、3つの神格を持つひとりの神を説明しようとしているのかもしれません。


陰陽と三位一体

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Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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