原子力と科学的アプローチ


世界の経営学は、日本の産業政策に貢献し得るか 入山 章栄 (早稲田大学ビジネススクール 准教授)
(2013年11月29日 独立行政法人経済産業研究所 BBLセミナーNo.862 )
経営学の分野では国際標準化が急速に進んでいます。それは日本を除いた世界の国々で起こっており、
各国が同じ学会に参加し、同じ経営理論の基盤のもとで、同じ分析手法を使い、同じ学術誌に論文を
投稿しているわけです。そして、世界中のビジネススクールで多国籍化が急速に進んでいますが、
そこに参加している日本人はほとんどいません。(中略)
経営戦略論のトップの学術誌であるStrategic Management Journalに、2011年に掲載された実証研究は
57本あり、そのうち統計分析を用いた研究が52本であったのに対し、日本では主流のケーススタディ
(事例分析)を用いた研究は5本しかなかったということを表しています。
要するに、統計分析が9割以上を占めるわけです。(中略)
今、日本を除く世界の経営学では、「経営の真理」を解き明かすための知の競争が進んでいます。
そして統計手法を重視し、何とかして経営学を科学にしようとしているわけです。
科学とは、いうまでもなく「真理の探究」です。しかし厄介なのは、経営学のみならず経済学や政治学と
いった社会科学の対象は、人間あるいは人間の組織だということです。
理論と実証のせめぎあい・帰納より演繹・人間や組織を理論化できるか?
従来、日本で普及している経営学とは、いわゆる成功企業をいくつか抽出し、ケーススタディから含意を導く
という帰納的アプローチです。それも大事なことですが、世界のマジョリティは現在、そうではありません。
欧米の国際標準となっている経営学の大部分は演繹的アプローチであり、まず理論を立て、
統計的な手法によって経営の真理法則をみつけようとしているのです。

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個人的な話ですが、わたしは、マイナスイオンにはマイナスの印象しか持っていません。
マイナスイオンは健康にいいと主張する人に文句をつけたことがあるのですが・・・
「マイナスイオンは健康にいいと言われますけど、マイナスイオンって何ですか。」
「あなたは、そのようなことも知らないのか?」
「はい、意味がわかりません。塩化物イオンのようなもののことですか?」
「塩化物イオンってなんだ。訳の分からないことを言うな!」
塩化物イオンは知らないが、マイナスイオンは知っている。こちらの頭がおかしくなってきそうです。
ということで、エセ科学がすっかり嫌いになってしまったのですが、科学ならよいというのも疑問です。
科学とは一体何なのでしょうか?これが意外に難しいのですが、一言で言ってしまうと、
論理的体系を持っているものだといえるでしょう。しかし、この論理なるものが怪しいこともあるのです。
その良い例が、ケーススタディから帰納的に一般法則を導き出そうとする手法です。
福島の原発事故が起こる前、東京電力は超優良企業でした。当時の東京電力を対象にしてケーススタディ
による事例研究をしたとすれば、東京電力が経営上優れている点を調査・評価し、その結果、東京電力の
経営手法がいかに優れているかを明らかにしたという研究結果を得ることができるでしょう。
そして、今となっては、東京電力の経営がいかにひどいものであったかを証明できる事象を集め、
だから原発事故は起こったのだと結論を出すことも可能なのです。これが科学なのです。
ケーススタディでは恣意的な結論を得ることが簡単にできてしまいます。公表バイアスが除去できません。
帰納法だけに従うと、福島の原発事故が起こる前、日本の原子力発電においてチェルノブイリのような事故
につながる可能性のある事例はないことから、「日本において同レベルの原子力発電の事故は起きない」と
いう結果を出すことが可能です。これが間違っていることは、事実が証明しています。
帰納法はとんでもない過ちを犯すことがあります。
統計的な結果というのはそれだけでは危ういものです。宝くじを買った人1000人を調査した結果、1等を
当てた人はいなかったので、宝くじで1等は当たらないことが分かったという結論を出してしまいそうです。
1等が当たる確率は非常に低いがゼロではないことを知っているので、この結論が間違っていることが分かる
のですが、すべてを調査することができず確率が全く推定できない事象でしたら、すぐに騙されてしまいます。
科学的に福島の原発事故は想定できなかったのか、都合が悪いから全電源喪失について無視したのか
知りませんが、どちらにしても地元の人や廃炉の作業をしている人の苦労が減るわけではありません。

エセ科学を科学的に追及することも大事なことなのかもしれませんが、科学の限界を明らかにして
いくことも、科学として、科学者としての重要な使命なのではないでしょうか?
例えば、「低線量被曝でがんが増えるという科学的根拠はない」というものがあります。
これは、「科学的根拠はない」から「低線量被曝」は大丈夫だとの主張にも使えますし、
「低線量被曝でがんが増えないという科学的根拠もない」のだから、「低線量被曝」を避けるべきだ
という主張にも使えるのです。しかし、これまでの原子力に関する科学の流れをみると、
今まで知られていなかった科学的事実が明らかになると、原子力の危険性がより増加する方向です。
昔の原子力発電所が低コストだったのは
怖いもの知らずだったから
という、とても科学的ではない理由によるものなのです。
科学的に調べれば調べるほど新たなリスクが認識されて、とるべき対策がどんどん増えていって、
原子力のコストはどんどん上がっていくという事態になっています。
今や、原子力が低コストであるという科学的根拠は消滅してしまったと思います。
今後も、原子力発電所に関する新たなリスクが認識される可能性は誰にも否定できません。
将来、わたしたちが原子力発電所の盲点を知るときが、若狭湾に面した原子力発電所がテロリストに
襲われて琵琶湖にセシウムがまき散らされることになったときでないことを祈るばかりです。
テロリスト対策も重要ですが、今まで起きたことのない事象に関する対策には限界があります。
あとはもう祈るだけです。科学も最後は、神頼みでしょうか?


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龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
 宇宙へつながる秘密基地

「みなみ」 今月のメッセージ

対馬(津島)と神津島
を結ぶライン上に、
沖ノ島があるの。

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舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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