スイスフランショック


「スイスショック」から日本の投資家が学ぶべきこと (1月17日 BLOGOS)
2011年9月から3年間以上続けてきた、スイスフラン売り、ユーロ買い為替介入を行った結果、
スイスの外貨準備高はGDP(国内総生産)の7割を超える規模まで膨らんでしまい、
ユーロ建て資産がさらに拡大するリスクを無視できないレベルになったのです。このタイミング
での発表の理由として、欧州中央銀行(ECB)の理事会が来週に控えていることが考えられます。
ECBが量的緩和をはじめる発表をするという憶測があり、実際にそうなれば、スイス中銀はさらに市場介入
を継続せざると得ない状況に追い込まれる可能性があった。つまり、早めに撤退したということです。
スイスフランは他の通貨に比べ金利が低かったので、FX取引で「スイスフランを売り、他の通貨を買い」
というポジションを作ることで、金利差をスワップ金利という形で受け取ることができました。南アフリカランド円
やトルコリラ円と同じように、金利の安い通貨を売り、相対的に金利の高い通貨を買う取引です。
高金利通貨は、金利で稼いでも通貨が暴落すれば利益が飛んでしまいますが、スイスフランは自国通貨が
強くならないように「中央銀行が無制限に売って1ユーロ=1.20スイスフランを維持する」と約束していたので、
投資家は安心してスイスフランを売って、他の通貨を買っていたのです。
ハシゴ外しの唐突な発表を受けて、スイスフランは急騰。チャートを見ると、1.20の上限に張り付いていた
レートが、一時0.8近くまで急騰したことがわかります。ドル円で例えれば、1ドル=120円だったものが、
突然1ドル=80円になったようなイメージです。実際、FX業者によっては、スイスフラン/日本円が短期的に4割
近く変動したケースもあったようです。レバレッジをかけて、スイスを売りまくって他の通貨を買いまくっていた
人はどうなるのでしょうか。FXのレバレッジは、国内では25倍に規制されていますが、それでも4%動けば
証拠金が100%無くなる計算になります。そこに、短期間で40%の変動が来たらどうなるでしょうか?
25倍で40%動けば、1000%。つまり証拠金の10倍の損失が発生することになります。
FX取引は、通常証拠金の80%程度が無くなれば、強制的に取引を終了させるロスカット機能が付いています。
例えば、120円でレバレッジ25倍でドルを買えば、117円くらいまで円高になって損失が出ると、
業者が勝手にドル売りを行って、損失を証拠金の範囲内に収めるようにするのです。
ところが、120円で取引していたものが、突然80円になったらどうでしょうか?流動性が枯渇した状態では、
ロスカット取引ができません。結局、80円でロスカットのためにドルを売ることになれば、
証拠金の何十倍もの損失になり、その損は投資家に追加の証拠金という形で請求されます。
証拠金100万円で取引していたら、1000万円の追加請求が来たらどうなるでしょうか。
支払ができなければ、その損失はFX業者が被ることになります。かくして、英国のアルパリ、ニュージーランド
のエクセル・マーケッツ、アメリカのFXCMといったFX会社が、破綻や経営難に追い込まれています。
今回の教訓も「おかしなことはいずれ是正される」ということだと思います。中央銀行が人為的に
為替レートを維持しようとしても、市場原理には勝てないということです。
1992年にジョージソロスがポンド売りによって、イギリスをERM脱退に追い込んだのもイングランド銀行が
ポンドを人為的に維持していたことが原因です。歴史は繰り返したということです。
日本でも中央銀行である日銀が、国債市場で人為的に相場を動かしています。日銀の国債購入で
金利は低下し、10年債の金利は0.2%台と史上最低です。イングランド銀行、スイス中銀にできなかった
「マーケットをコントロールする」ことが、果たして日銀にはできるのでしょうか?
日本の投資家が今回の「スイスショック」から学ぶべきことは、まさにここにあるのではないかと思います。

スイスフラン円

リスクを取らないリスクリスクを取らないリスク
(2014/09/16)
堀古 英司

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これは驚くべき事態です。FXでスイスフランを売っていた人はどのくらいの損失を出したのでしょうか?
ただ、スイスフランを売っていた人は、日本ではそれほど多くはないでしょう(長期保有者の話です)。
なぜなら、日本においては、基本的にFXは、外貨を売るものではなく外貨を買うものだからです。
日本の金利はとても低いので、高い金利の外貨を持つことでスワップポイントが手に入る一方、
高い金利の外貨を売ることで常にスワップポイントを支払い続けないといけないので、
長期的に外貨のショートポジション(売りポジション)を持ち続けることは難しいのです
(スイスは金利が低いので、スイスフランのショートポジションは可能ですが)。
ニュージーランドの政策金利は3.5%ですが、日本では0.1%ですから3.4%の金利差があります。
為替変動という大きなリスクに晒されるお金で3.4%くらいの利益を得ても、
それほど意味のないことのように思われるかもしれませんが、そうではありません。
FXは外貨預金とは異なり多くの人がレバレッジをかけています。100万円を証拠金として預けて
レバレッジを20とすると、2000万円分の外貨を購入したことになります。
2000万円分のニュージーランドドルですと、3.4%の金利がつくとすれば年間で68万円になります。
これを証拠金から考えますと、実質金利が68%になっています!
しかし、金利差の一部をFX業者が利ざやとして差し引いていますので、これだけの利益を得られるわけでは
ありません。実際のところを計算してみますと(日々変動しているのであくまでも概算です)、外為オンライン
(1月14日以降分)では、1万ニュージーランドドルで1日80円となっていますので年間29200円です。
ニュージーランドドルの買いレートを91.75とする(先週末の大凡の価格)と、レバレッジが20では、
1万ニュージーランドドルを購入するのに必要な証拠金は45875円です。ということは、金利は約64%
ということになります。しかし、必ず儲かるのでしたら誰でもやります。
理論上は損も得もしないはずですから、為替レートで相殺されることになります。つまり、普通に考えれば
円高になるはずなのです。日本のように低い政策金利を続けていれば、金利の高い国の通貨に対して
円高になるのが当然なのです。スイスも政策金利が低いので、スイスフランは高くなるはずです。
しかし、日本と同様、自国通貨が強くなると、輸出品は売れないわ海外から観光客が来なくなるわで
国内産業が疲弊してしまうということで、スイス中央銀行は市場介入によりスイスフランが高くなりすぎない
ようにしていたのです。高くならないのなら、金利の低いスイスフランで資金を調達して、
金利の高い通貨を買っておけば儲かりますから、「リスクなしで儲かる」はずでした。

しかし、「おかしなことはいずれ是正される」もののようです。
しかも突然です。スイスフラン売りを継続できないと考えたスイス中央銀行は突然、自国通貨の上限設定を
撤廃してしまいました。これであわてたのがヘッジファンドです(実際は、あわてたというより、スイスフランが
急上昇すれば自動決済するシステムになっているのでしょうが)。しかしながら急激に変化しているときは、
売買が成立しません。FX業者については、責任は顧客にあるので損をしないシステムになっているのですが、
顧客の多額の損失を回収できない可能性があります。ただ、日本の場合は、そもそもスイスフランを売っていた
人はほとんどいなかったでしょうから、業者が大きな損失を被ることはないでしょう。
スイスフランを売っていた人がどのくらいの損失を被ったのかわかりませんが、最悪の場合を考えてみます。
10万スイスフランをレバレッジ20で、120円のときに買っていたとすると、証拠金は60万円。1円の変動は
10万円に相当しますから、125円程度で強制決済されるはずでした(ストップロスを置いていないとします)。
実際、取引量やFX業者の決済方法によっても変わってきますので、現実にいくらのときに決済されることに
なったのか知りませんが、運悪く、160円で10万スイスフランを買い戻すことになったとしますと、
400万円の損失です。証拠金を差し引いても、追証が340万円発生することになります。
FXではストップロスを置くと安全だと言われていますが、今回のような場合はそうとも言えないでしょう。

さて日本はどうでしょうか?民主党政権では1ドル80円を切るようなレベルでしたが、低金利を続けてきて
これらからもそうであろう国の通貨では、当然のあり様ともいえるのです。
ではなぜ、これだけ円安が進んだかといいますと、日銀が「円は紙くずになるかもしれないぞ」と脅す政策をとって
いるからです。これだけ円安になっても、日本の輸出が伸びているわけでもありませんし、経済が好調になって
もいません。よって、メインシナリオは、「アメリカ経済の堅調な展開が続いて円安が進むだろう」です。
しかし、リスクオン時には、円高になるかもしれません。そのときは、あっという間に円が急騰するでしょう。
スイスフランと同じことが起きたときのことを想定をしておくことは無駄なことではありません。
想定していないリスクには対応できませんから・・・

最後に言っておきますと、FXをしていない人には関係ない話に聞こえるかもしれませんが、
円で貯金していることは、円が紙くずになったときには損失を被るというリスクをとっていることになります。
現実にはリスクをとらないという選択肢はないのです。


リスクマネジメント
<出典> リスク対策.com シリーズ > みならい君のBCMS構築物語 > 第3回 リスクアセスメントの実施プロセス



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舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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