陽極まりて陰に転ず


思惑だらけの日銀の異次元緩和第2弾は成功するのか?(11月7日 日経Bizアカデミー)
急速な円安には、大きなリスクがある
確かに、今は円安に振れていますから、グローバル企業の業績がかさ上げされることは間違いありません。
ただ、それが「国内での」給与上昇、ひいては家計の支出増大に反映されるかどうかは微妙なところです。
円安に振れると、輸出産業の業績が改善されると言われていますが、実のところ、かなりの部分が
グローバル企業の海外での業績が円換算額で増えるということなのです。輸出企業の業績が上がれば
国内での賃金上昇につながりやすいですが、グローバル企業が海外での業績を上げても、国内賃金には
反映しにくいのです。マイナスにはならないものの、国内の給料に反映されるかどうかは、未知数です。
その点を考えると、急速な円安はデメリットの方が生まれやすいと思います。
まず、円安が進めば、貿易赤字がますます悪化します。
さらに、円安の影響で輸入価格が上がれば、企業も最終消費財の価格を上げざるを得なくなります。
当然、これは消費の足を引っ張る恐れがあります。もう一つ問題があります。
先ほども説明しましたように、給与は実質的には減少していますから、原材料の輸入価格が上がっても、
企業がその分を最終消費財の価格に転嫁しきれないことがあるのです。
特に、中小企業が大企業に品物を納入する場合、原材料高の影響を受けているにも関わらず、全てを
価格に転嫁できないのです。その点を考えると、今後、中小企業の業績が悪化する懸念があります。
このように、急激な円安が起こると、グローバル企業や輸出企業へのメリットという好影響はあるものの、
大きな悪影響も起こりやすいのです。
異次元緩和はカンフル剤でしかない
この株高がいつまで続くかどうかは、はっきり言って分かりません。日本株の割安感が今回の株高で
かなり解消したので、企業業績のさらなる向上という裏打ちがなければ失速する可能性もあります。
そして、一つ確実に言えることは、異次元緩和や公共工事といった政策は、所詮、カンフル剤でしか
ないということです。本物の成長戦略を出さなければ、根本的な解決策にはならないのです。
もし、これで消費増税を行うのであれば、景気後退は避けられません。
今年4月の消費増税後の景気の状況を見ると、その影響は想像以上に大きいことが分かっているからです。
そこで政府は、増税後の景気悪化を避けるために、3~4兆円規模の景気対策を行うと表明しています。
消費税を上げて公共事業を増やすということは、「広く薄くお金を集めて、既得権益にばらまく」と言っている
のと同じことです。もちろん、消費税増税分は福祉財源に充てると言っていますが、お金に色はありません。
消費増税で得たお金が結果的にバラ撒きに使われたということにもなりかねません。
これではいつまで経っても経済を再生させることはできないでしょう。
すでに財政の規律は失われつつあり、来年度の一般会計予算は100兆円を超える規模になります。
このツケは、国民、そして将来の子どもたちの負担になることを忘れてはなりません。

官製相場の暴落が始まる――相場操縦しか脳がない米、欧、日 経済 (エコノ・グローバリスト)官製相場の暴落が始まる――相場操縦しか脳がない米、欧、日 経済 (エコノ・グローバリスト)
(2014/11/02)
副島 隆彦

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相場の格言前記事は幻想にどっぷりとつかった内容でしたが、本記事は現実世界に戻ります。
厳しい現実ばかりだと嫌になってきますが、現実離れした話ばかりですと、たまには
現実に戻りたくなるときもあります。記事31-7「空売りする前に考えてほしいこと」
(9月15日)で、安倍さんは株価が下がれば政権が持たないと考えているのでしょう
から、少し株が下がったときに空売りするのは危険だとお伝えしましたが、日経225で、
9月中旬に16000円程度あった株価は10月17日に14529円まで下がりました。
そして、今日(11月7日)の終値が16880円ですから、1ケ月もしない間に15%超
の値上がりになっています。銘柄によって違いはあるでしょうが、10月中旬に空売りを
した人は、11月に入って夜に熟睡できていないのではないでしょうか?
そうは言ったものの、まさか、ここで金融緩和に踏みきるとは思いませんでした。なぜなら、
(事実上、日銀も含めて)政府はこれ以上の円安を望んでいないのではないかと思っていた
からです。ですから、異次元緩和以上に黒田総裁の円安容認発言には驚きました。
これで、円安に歯止めがかからない可能性がでてきました。
国際的な原油価格が下がっているので、ガソリンや灯油の価格がどんどん上昇していく
という状況にはありませんが、基礎的な食料品の上昇は止まらないでしょうから、
消費が落ち込むことは避けられそうもありません。消費者の価格に対する敏感さは
さらに増すことが予想されます。上の引用では、中小企業が大企業に品物を納入する
とき、価格転嫁が進まないために中小企業の業績が伸びないとの指摘がありますが、
BtoB(企業間取引)の企業のほうがまだマシでしょう。BtoC(一般消費者向けの製品
の製造・販売や、消費者向けサービスの提供)の中小企業にとって、販売価格は低下し、
製造コストは上がることになります。BtoBでも国内販売の企業のみとの取引ならば、
BtoCの企業と同様かもしれません。この状態で、来年さらに消費税が上がるとなれば・・・
5%を8%にしたことでかなり消費が落ち込んでいますから、
10%に上げるのでさえ勇気が必要です。財政健全化のためには、もっともっと消費税を
上げなければいけませんから、将来、国民はもっともっと生活が苦しくなり、
BtoCの企業はもっともっと価格を下げざるを得なくなるかもしれません。

さて、今後、株価はどのように動くのでしょうか?
景気が良かろうと悪かろうとそんなこと関係なしに、株価は上がるときには上がるものですし、
下がる前に最も上がることもよくあることです。
「陽極まりて陰に転ず」です。
相場に従うならば、現時点では「買い」ということになります。しかし、急落する可能性が
あると思っている人も多いですから、かなり乱高下することになるでしょう。
問題は、「陰に転じた」と判断するタイミングです。そのタイミングは誰にも分かりませんが、
予期せぬ出来事には要注意です。
「陽」のなかにある小さな「陰」が全体の流れを変えるときがいつか来るでしょう。

悲観的な話ばかりしていますが、アベノミクスが成功して、日本が再び成長軌道にのる可能性がゼロである
とはいいません。総力をあげて、企業も生活者も、東京も地方もハッピーになる道を探らなければなりません。
しかし、そのためには時代を一変させるようなイノベーションが必要です。単なる成長戦略では無理です。

(図の出典)日本証券業協会 相場格言集

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書籍の紹介

龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
 宇宙へつながる秘密基地

「みなみ」 今月のメッセージ

中央構造線は、
わたしたち赤龍の国と
日本海にいる黒龍の国との
境界線といえるでしょう。

プロフィール

舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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