資本主義への最終警告


「CSRとCSVに関する原則」
(4月14日 ニッセイ基礎研究所 > レポート > 研究員の眼)
CSVは競争戦略論の第一人者である米国ハーバード大学のポーター教授が、
CSRに取って代わるべきものとして2011年に提唱した概念で、経済価値と社会価値を同時に
実現するものである。これは企業の競争力強化と社会的課題の解決を同時に実現させようと
するビジネス戦略を意味し、具体的には社会的課題の解決に資する製品・サービスあるいは
事業を開発することである。
それでは、なぜポーター教授はCSRに異議を唱えたのであろうか。フィランソロピーなどの
慈善的な社会貢献活動では、大きな価値創造や社会変革を起こすことはできないと主張し、
「CSRからCSVへの脱却」を訴えたのである。ただ、既にお気づきのことと思うが、ポーター
教授の言うCSRとは米国流フィランソロピーのことである。
しかし、日本では「CSRからCSVへ」というかけ声のもと、それが文字どおりに受け取られて、
「CSRはもう古い。これからはCSVだ」という声も聞かれる。「本来のCSR」が根付く前に、
ビジネス上の競争戦略であるCSVだけが浸透していくことに対する懸念がある。
発起人の問題意識はここにある。CSV自体というよりも、むしろ日本でのCSVの受け取り方を
憂慮する有志が集まり、2013年夏から議論を積み重ねてきた。その成果として、
ISO26000(CSRの国際規格)や国連「ビジネスと人権に関する指導原理」を踏まえて、
一定の基準としてまとめたものが『CSRとCSVに関する原則』である。
1. CSR は企業のあらゆる事業活動において不可欠です。
2. CSV はCSR の代替とはなりません。
3. CSV はCSR を前提として進められるべきです。
4. CSV が創り出そうとする「社会的価値」の検証と評価が必要です。
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CSRの呪縛から脱却し、「社会と共有できる価値」の創出を
マイケル・ポーター米ハーバード大学教授が提示する新たな枠組み

(2011年5月19日 日経ビジネスONLINE)
―― 最近、CSRはやめて、CSVをすべきと主張されているそうですが、その真意は。
ポーター CSRからCSVへの移行という考え方の転換について初めて書いたのは、この論文です。
(この論文とは、ハーバードビジネスレビュー誌2006年12月号の『Strategy and Society』。
邦訳版『競争優位のCSR戦略』は、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー誌の2008年1月号に掲載)
その中で、寄付やフィランソロピー(社会貢献)を通して自社のイメージを向上させるという従来の
CSR活動は、事業との相関関係がほとんどなく、正しいアプローチではないと指摘しました。
実際、従来のCSR活動は必ずしも効果的なものだと言えなかった。社会に大きな影響を及ぼすには
至らなかったからです。それも無理はありません。企業は、自社のイメージ向上だけに関心があり、
社会にインパクトを与えて実際に社会を変えようとは真剣に考えていなかったのですから。(中略)
変化を生み出すことができるのは、企業が事業活動に密接した社会問題の解決に取り組む時だと
私は信じています。なぜなら、社会と共有できる価値を創造するのに必要なスキルや技術、
人脈は企業の事業活動の中に蓄積されているからです。(中略)
ある社会問題に対してできることがお金を出すことだけである場合は、恐らくその問題に関与すべき
ではありません。企業に求められるのは、スキルや人脈、専門知識などを提供することだからです。
企業が肯定的に評価される要因は、提供したお金の額ではなく、達成した成果なのです。(中略)
従来のCSR活動から、社会と共有できる価値の創出を追求する段階に日本企業が進めば、
さらに強い競争力を手にできると信じています。

CSRとCSV

ハーバード大学とはいえ、一教授の提案がそれほど社会に影響があるのかと思われるかもしれませんが、
マイケルポーターの影響は絶大です。国が地方に配る補助金には、「産業クラスター形成・・・」
というのがありますが、この「産業クラスター」という言葉は、ポーターが提示した概念です。
しかし、皮肉にも、ポーターが競争力の源泉とした「産業クラスター」は、
ポーターがこの概念を提示して以降、日本では衰退の一途をたどりました。
この名のもとに、どれだけの無駄な補助金が支出されてきたのでしょうか。もううんざりです。
「○○クラスター」と聞いただけで、また失敗するなと思ってしまいます。
地方創生で、また「産業クラスター」無駄遣いでしょう。
いつまで、日本版シリコンバレーを目指すのでしょうか。
日本の地方にある産業集積地域では、新陳代謝が圧倒的に不足しています。
日本で最も新陳代謝があるのは、東京とその周辺です。
東京とその周辺でイノベーションを起こすことに集中するべきです。
(TAMAクラスターは、日本の産業クラスター政策において、唯一?の成功事例です)
もっと東京でイノベーションを起こし、地方に波及させることを考えるべきです。

さて、最近になってマイケルポーターが言い出した「CSRからCSV」は、
日本の企業にもかなり影響を与えていると思われます。
CSRは「企業の社会的責任」の略称であり、社会に対する利益還元の意味合いを持っていて、
企業としてはイメージアップの一環なので、本業と無関係な社会貢献でも問題ありません。
しかし、CSVは、業務をとおしての社会貢献ですし、それにより企業の競争力を強めようとする
ものですから、行う内容はかなり限定されます。
上の引用文にありますように、「CSRはもう古い。これからはCSVだ」ということになれば、多くの企業が、
これまで行ってきたCSRを見直して、「本業に関係のない寄付などのCSRは、無意味だからやめた」
ということになり、寄付が集まらなくて困ってしまうNGOなどが現れるのではないでしょうか?
企業のかたには、ぜひ、「CSRはもう古い。これからはCSVだ」と考えず、「CSRも、CSVも」と
いう方針で進めていただきたいところです。

しかし、下の引用文のポーターの主張を読むと、なかなかいいことを言っているなと思います。
これまでのCSRは、はやり「おまけ」であり、これで社会を変革しようと考える企業などいません。
費用をかけすぎれば、株主から、さらには従業員から批判されるでしょう。
顧客だって、そんなことができるのなら、商品の販売価格をもっと下げてくれということになります。
しかし、本業で社会貢献しながら利益を得られるようになれば、どんどん事業を拡大できます。
他社も、マネをしない理由がありませんから、社会貢献がさらに進みます。

顧客と社会のニーズを同時に満たしながら、利益を得ていくことは容易なことではありません。
しかし、この手法は社会問題を解決する最も良い手段です。(さすが、ポーター教授なのです)
このままですと、わたしの占うところでは(←本記事を真面目なことに利用されるかたは
ここをカットしてください)、資本主義は重大に危機に晒されるでしょう。
イスラム国を「悪」と考えるのではなく、
資本主義への最終警告だと考えるべきです。


実は、CSV事業では、政府の役割がとても重要になります。なぜなら、企業の個別的努力
だけでは、実行が難しいと思われるからです。政府が、CSVの場づくりに協力すべきです。
こういうところにお金を使ってほしいのです。安倍さん!石破さん!小渕さん!
でも、お金だけではダメです。知恵が必要です。
CSV事業における社会貢献には、地域への貢献も含まれます。
伊藤園の茶産地育成事業など、もっと評価されていいと思います。
(わたしはいつもサントリーのウーロン茶を飲んでおり、伊藤園とは何の関係もありません)
これぞ地方創生です!ただし・・・
絵に描いた餅で終わらない綿密なビジネスプランが必要になります。
お金を浪費するだけなら、これまでの「産業クラスター政策」と同じになるでしょう。

共通価値の創造
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龍女「みなみ」からあなたへの
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舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
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・職業:サラリーマン
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