素晴らしい論理


自信過剰 わかったつもり ~ファスト&スロー(上) ダニエル・カーネマン~
私たちは自分の周りのさまざまな出来事を解明しようと絶えず試みており、そこから必然的に
講釈の誤りが生まれる。私たちが納得できる説明やストーリーは、とにかく単純である。
抽象的でなく具体的である。偶然よりも才能や愚かさや意志で説明したがる。
そして起こらなかった無数の事象よりも、たまたま起きた衝撃的な事象に注意を向ける。
最近起きた目立つ出来事は、因果関係をでっちあげる後講釈の題材になりやすい。

あなたはどうしても、手持ちの限られた情報を過大評価し、ほかに知っておくべきことはないと
考えてしまう。そして手元の情報だけで考えうる最善のストーリーを組み立て、
それが心地よい筋書きであれば、すっかり信じ込む。
逆説的に聞こえるが、知っていることが少なく、パズルにはめ込むピースが少ないときほど、
つじつまの合ったストーリーをこしらえやすい。世界は必ず筋道が通っているという心楽しい信念
は、磐石の土台に支えられている。その土台とは、自分の無知を棚に上げることにかけて
私たちはほとんど無知の能力を備えている、という事実である。

人間の脳の一般的な限界として、過去における自分の理解の状態や過去に持っていた自分の意見
を正確に再構築できないことが挙げられる。新たな世界観をたとえ部分的にせよ採用したとたん、
その直前まで自分がどう考えていたのか、もはやほとんど思い出せなくなってしまうのである。

後知恵バイアスは、意志決定者の評価に致命的な影響を与える。評価をする側は、
決定にいたるまでのプロセスが適切だったかどうかではなく、結果がよかったか悪かったかで
決定の質を判断することになるからだ。(中略) このような「結果バイアス(outcome bias)」が
入り込むと、意思決定を適切に評価すること、すなわち決定を下した時点でそれは妥当だった
のか、という視点から評価することはほとんど不可能になってしまう。
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意思決定論の決定版。今回は、ここまでが引用になってしまいました。
それほど、この本は秀逸なのです。
きっと、これまで紹介した本のなかで、一番いい本なのではないでしょうか?
著者はダニエル・カーネマン。心理学者なのですが、2002年にはノーベル経済学賞を受賞。
前の記事では、論理について批判的に書きましたが、
論理的なものには、この本のように素晴らしいのものもあるのです。
「結果バイアス」にだまされないようにしましょう。
「振り込め詐欺」は騙されてたことにいつかは気づくものですが、
「結果バイアス」で歪められた話は、騙されていることに気づきにくいものです。
一応、断っておきますが、わたしの書いているものは、「結果バイアス」など無関係です。
なぜなら、そもそも物語ですから。今後とも、フィクションとしてお楽しみください。


ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?
(2012/11/22)
ダニエル・カーネマン

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ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?ファスト&スロー (下): あなたの意思はどのように決まるか?
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舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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