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窮地に陥ったマクロン政権が欧州全体を揺さぶる

category: 新しい記事10  

欧州の結束に揺らぎも マクロン仏政権窮地で (12月3日 日経電子版)
欧州で勢いを増すポピュリズム(大衆迎合主義)の波がフランスにも押し寄せてきた。燃料税引き上げに抗議する反政府デモが止まらず、
マクロン政権の構造改革路線が窮地に追い込まれている。フランスとともに欧州連合(EU)をけん引してきたドイツでも、メルケル首相
が与党党首を退く予定だ。EUの結束が一段と難しくなる可能性が高い。マクロン氏は2日、20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれた
アルゼンチンから帰国するとすぐにパリ中心部の凱旋門を訪れた。1日にデモ参加者と治安部隊が激しく衝突した現場で、観光スポット
でもある凱旋門は政権を非難する多数の落書きで汚れていた。パリでは車両への放火や銀行、商店の破壊、略奪も続発。ルーヴル美術館
に近いチュイルリー公園周辺や、セーヌ川に近いトロカデロ広場周辺なども混乱し、地下鉄駅の多くが閉鎖された。同様なデモは各地で
起き、仏内務省によると1日の参加者は全国で約13万6千人。現地のメディアによると、内務省は2日、全国で682人を拘束し、負傷者が
263人に上ったと発表した。仏政府は「過激派」がデモに乗じて暴力行為を繰り広げたと非難した。デモが起きた直接のきっかけは政府
が環境政策の一環で決めた19年1月に予定しているガソリンと軽油への増税だ。11月17日、初めて大きなデモが実行されて以降、1日
まで土曜日ごとにデモが実施されている。根底にあるのはマクロン政権が進める構造改革路線への反発だ。同路線は企業活動の規制緩和
と行財政改革による「小さな政府」を志向する。解雇する際に企業が払う罰金に上限を設けるなど、労働者を解雇しやすくして労働市場
の流動性を高めたり、法人税の減税や社会保障費の国民負担の増額などを進めた。構造改革は既得権益が多い公的部門を中心に痛みを
強いる一方で、社会全体が恩恵を感じるまでには時間がかかる。特にフランスは伝統的に「大きな政府」が前提の社会だった。これに
大統領府による高額食器購入やマクロン政権に期待した若年層での高止まりした失業率などが加わり、マクロン政権への失望が一気に
加速した。(後略)
パリで炎を上げる車の前に集まったデモ参加者_2018年12月1日撮影パリのデモ、参加者が暴徒化 車や店舗に放火 270人逮捕
(12月2日 AFPBB News フランス通信社)
フランスの首都パリ中心部で1日、政府の燃料税引き上げに抗議する数千人
規模のデモが新たに行われた。暴徒化した参加者らが数十台の車や店の正面
に放火するなど治安部隊と衝突する騒ぎが終日続いた。警察官5000人が
デモ対応に当たり少なくとも270人を逮捕した。内務省によると、6棟の
建物が放火され、約190か所で火が消し止められた。警察官17人を含む
110人が負傷した。警察車両から自動小銃が盗まれたという情報もあるが、
銃弾が装填されていたかは分かっていない。参加者らが黄色いベスト
約8000人のデモ参加者が集まったシャンゼリゼ通り(Yellow Vest)を着用するこのデモは3度目の週末を迎えたが、
エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に対する全般的な
抗議デモに性質が変化している。(後略)

「デモ参加者」って誰だ──フランス燃油税高騰デモは政府に見捨てられた
地方住人の反乱か
 (11月29日 newsweekニューズウィーク日本版)
<フランス各地で燃油価格高騰に抗議するデモが、10日以上にわたり続いて
いる。燃油コスト値上げが火をつけたのは、地方の低・中所得層の「購買力
低下への怒り」だった>(中略)
政府に見捨てられた地方の人々の反乱
今回の運動は2018年5月にイル=ド・フランス圏に住むプリシア・ルドスキーが燃料価格の引き下げを求めるキャンペーンをオンライン
に載せ、署名を集めたことから始まった。同じく燃油価格高騰に反発するフェイスブック・グループにルドスキーが加わり、メディアに
取り上げられたこともありメンバーや署名が急増したという。(11月28日現在では署名は98万を超えている)。その後フェイスブック
・グループは全土に広まり、現在では各地域が「黄色ベスト」のフェイスブック・グループを作って、それぞれの地元などでデモを
呼びかけるようになった。黄色ベストのデモ参加者は、一体どんな人たちなのか?
L'Obes紙に掲載された人口統計学者のエルベ・ル・ブラ氏の統計によると、「Diagonale du vide (空っぽの斜め線)」と呼ばれる、
フランス北東部のムーズ県から南西部のランド圏を結ぶ人口密度が低いエリアで、黄色ベストの割合が高いと言う。さらに2017年
11月にCrédocが発表した調査によると、フランス人の10人中3人が地理的・社会的にも政府から見捨てられたと感じると答えており、
回答者は地方在住者が多かった。これらの地方ではバスや電車など公共交通のサービスが発達していない場所が多く、車が必要不可欠
なため、燃油価格高騰は生活費に直接響く。ル・モンドに掲載された「上流階級は世界の終わりを考え、僕たちは月の終わりを考える」
と題した記事では、フランス東部のドゥー県にある人口5500人の村に暮らす人の声を紹介している。チーズ産業で働く22歳のヴィク
トル・マルゴンは1700ユーロ(約21万9000円)の給料のうち、500ユーロの燃料費を払っている。彼は、「毎朝3時に起きて、月末に
苦しむなんてもううんざりだ」と語った。一方、兄弟と農家を営む28歳のガエル・トゥレは、農業に使用するトラクターのガソリン代
を節約するために馬を使用するようになったという。毎日働いても給与は税金と生活費に消え、満足した生活を送れない――。
そこに直面することになる燃油価格高騰。同じフランスに住んでいるにも関わらず、政府から地方への配慮が感じられない中間層の
怒りが爆発した反乱となったようだ。(後略)

安倍さんとマクロン大統領はG20の会場で急きょ会談。日産、三菱とルノーの提携関係を
めぐり、マクロン大統領は3社の関係が今後も維持されるよう求めたのに対し、安倍さんは
「政府が関与するものではない」との考えを示したようです。工業国としてはドイツに後れ
をとるフランスにおいて、ルノーは大きな存在なのでしょう。フランスの大統領としては、
ルノーの業績が悪くなって、フランス全体の経済や雇用に悪影響が及ぶことを恐れているの
でしょうが、今は、そのような対外交渉より国内にもっと目を向けたほうがよさそうです。
フランスといえば、ファッション、農業、原子力、航空機産業などが有名で、観光客も多く
訪れますが、雇用情勢は厳しいようです。グローバル化の進展により、先進国においては、
労働者の賃金は停滞し雇用が不安定化した一方で、富裕層は所得や資産を増やしてきました。
格差は富裕層対労働者の問題だけではありません。大都市では新しい仕事が生まれているの
に対し、地方では衰退産業ばかり。グローバル主義者のマクロン大統領ですから、フランス
の国際競争力を高める政策を推進しているのでしょうが、このことが新たな格差を生みだし
ます。マクロン大統領の打ち出した燃料の増税で、富裕層の負担はほとんど増えませんが、
低所得者にとっては大きな負担増です。なかでも地方の住民、特に農業従事者にとっては
大きな負担になります。皮肉なことに、都市と地方の分断を決定的にしてしまったのは、
都市と地方の分断を煽ってきたルペンさんではなく、ルペンさんを圧倒したマクロンさんの
ほうでした。グローバル主義者は、ポピュリストが深刻な政治レベルの二極化を生みだして
いると主張しますが、工業が衰退している先進国において、富裕層対労働者、都市対地方の
二極化を生みだしているのはグローバル化推進勢力のほうです。アメリカでは、オバマさん
のとった政策がトランプさんを誕生させる原動力になっていることを考えると、フランスに
おけるマクロンさんの政策が、欧州のポピュリズムやナショナリズムに火をつけるかもしれ
ません。日本でフランスのような反政府運動が起きないのは、安倍さんが雇用を改善した
うえで自由貿易を推進しているからです。とはいえ、日本でも同様の傾向が進行しています。
グローバル化で誰が得をするのか?「成長の果実」が一部の人たちに独占されるのならば、
反グローバリズムの動きは全世界的に広がるでしょう。




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龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
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「みなみ」 今月のメッセージ

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あなたがた自身。

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舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:48歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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