アインシュタインとボーアの大論争research map 筒井泉 准教授・素粒子原子核研究所
量子力学は1920〜30年代に完成され、それまであった古典物理学の根底を──相対性理論よりももっと激しく
──変えたんですね。ですから当時、非常に混乱した。その象徴的な例がアインシュタインとボーアの論争なん
です。アインシュタインは量子力学は(その理解の仕方が)「間違っている」、のちに「不完全」だと言って、
死ぬまでこの立場をとりました。それに対してボーアは、量子力学は間違っていないし不完全でもない、と。
1910年ぐらいから量子力学の建設に関わってきたボーアは、古典物理学では説明できない現象をどう説明する
のか、長年苦心惨憺して、弟子のハイゼンベルクらとも討論した果てに到達した考えだったから、
確信があったんですね。論争は、平行線が続きました。
アインシュタインは、たとえば本、机、人間……といったものはみんな存在しているし、小さな粒子、さらには
原子や素粒子も当然存在しているという前提の下で物理学をつくらなければならない、と考えていました。
長さでも重さでもわれわれが測った時に得られる値を物理量といいますが、この物理量は、測るたびに
いろんな値になるのではなく、われわれが測ろうが測るまいが確定して存在しているはずである、と。
この「物理量の実在」という考えに、アインシュタインはあくまでも固執したんですね。
一方のボーアは実証的な立場から、観測していないものについて、存在している/していないという議論
はできない、という考えです。測定のしかたによって、どのような物理量をわれわれが認識できるのかが
違ってくる。存在したものも存在しなくなるし、あるいは存在の形態なども変わっていくんだという、
新しい「存在」の姿を示していました。ある観測を行えば、その測定にフィットした物理量だけが存在するので
あって、あらゆる一般的な物理量は存在するとは言えない──これは現在でも量子力学の基本的な考え方
ですが、アインシュタインはそれは不完全であり、より完全なものがあるのではないかと思っていた。

量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突
 (2013/03/29)
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この論争はボーアの勝利であるように言われていますが、実際のところ、そうでもありません。
量子力学は実際に役立っていますし、理論的な矛盾を生じているわけでもありませんので、
ボーアの学問的功績は偉大です。しかし、量子力学は実在が何かを明確にせず、世界は曖昧だ
といっているに過ぎません。極端に言えば、何でも「神のみぞ知る」という結論になってしまいます。
「電子は測定するまでどこにあるかを確定的に示すことはできない」からといって、
「地球は、わたしが認識するまでは、どこに存在しているかが明らかでない」ということにはなりません。
「わたしが認識できないものは存在しない。わたしが認識できたものだけがこの世界に実在するのだ」
という、新興宗教の教祖様が言いそうなことに似ているからです。
「わたしは見ました、だから、あるんですぅ。」では困ります。
最後は、誰かが実験で確かめてくれなければ、科学的事実であるとは言えません。
問題があるとはいえ、量子力学はとても魅力的であり、もしわたしが物理学者を目指すとするならば、
量子力学か超弦理論を研究するでしょう。理由はシンプルです。面白そうだからです。

さて、アインシュタインとボーアの主張はどちらが正しいのでしょうか?
わたしに言わせれば、結論は簡単です。「どちらももっともだ。」
お互いは妥協が不能であり、混ざり合って、すべてが中間的なものになるということはありません。
お互いが対立しあっているのですが、お互いが足りない部分を補い合ってもいるのです。
現象世界を極めることは本質世界を知ることにつながりますし、本質世界を極めることは
現象世界を知ることにつながるのです。どちらかが完全勝利を収めることはありません。
要は、陰陽論の本質と同じです。
しかし、これまでの科学は、すべてのものが可知(現時点では未知であるものを含む)である
という考えしかなかったのですから、不可知世界を示したボーアの功績は偉大であるといえるでしょう。
そして、このことはフロイトとユングの論争にもつながっているように感じます。
占星術的世界観はというと、完全に不可知世界に属していますが、それだけでは進歩しないでしょう。
とはいえ、完全なる現象世界を採用する(最も分かりやすい例は、実証試験を行い、占星術が正しい
ことを証明する)こともできないでしょう。ここで、もう一度、陰陽論に戻りますが・・・
陰陽論には進化性があります。つまり、陰と陽の2つがある状態から、さらに分割して四象が生まれます。
それと同じように、不可知世界と可知世界は単に対立しているだけではなく、
意外な形で組み合わさった新しい世界を生むでしょう。新しい世界は2つできるはずです。多分・・・


アインシュタインとボーア

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龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
 宇宙へつながる秘密基地

「みなみ」 今月のメッセージ

中央構造線は、
わたしたち赤龍の国と
日本海にいる黒龍の国との
境界線といえるでしょう。

プロフィール

舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:46歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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