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消費税とキャッシュレス化 その関係は? (10月15日 NHK NEWS WEB)
「キャッシュレスで買い物すると2%還元します」
セールではありません。来年10月の消費税率10%への引き上げにあわせて政府が検討を始めた「ポイント制」です。さらに、
商品によって消費税率が変わる「軽減税率」。いずれもピンとこない人、多いのではないでしょうか? 制度の狙いは?
どんな効果があるのか? 取材しました。
戸惑いの声
「消費税ポイント還元制度、よくわからない」
「クレジットカードで増税分還元ってクレジットカード持ってない若者はどうなるんだろう??」
「軽減税率めんどうくさそう」
「消費の内容に違いが無いのに税率が違うのは税制として整合がとれるのか」
ネットの声をみても、聞き慣れない制度に戸惑いの声が多く投稿されています。
軽減税率って何?
政府は食料品などにかぎって税率を8%に据え置く「軽減税率」を導入することにしています。生活必需品の税率を抑えることで、
所得が低い家庭の負担を軽くすることが目的とされていて、対象は「酒類及び外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が結ばれた
週2回以上発行される新聞」に限られています。
同じ商品でも異なる税率
ただ、実施にあたっては課題もあります。飲食料品でいえば、ファストフード店でハンバーガーを買った場合、持ち帰りにすると、
「飲食料品」にあたるため、消費税率は8%になりますが、店内で食べると「外食」にあたるため税率は10%になり、同じ商品
でも違う消費税率になってしまうのです。また、最近はコンビニなどで食事ができる「イートインコーナー」を設けている店が
増えていて、そのつど買い物客に持ち帰るのか店内で食べるのか確認することが必要になります。このため、小売りの現場から
は対応が煩雑だといった懸念の声が上がっています。
キャッシュレスでポイント還元
また検討が進められている消費税率引き上げの対策のうち、過去にない新たな点の1つがキャッシュレス決済で買い物をした人に
対してポイントで還元する制度です。対象となるのは中小の小売店で、クレジットカードや電子マネーなどです。現金を使わずに
キャッシュレス決済で買い物をした場合に、購入額の2%分をその後の買い物で使えるポイントとして還元してその費用は国が
負担。消費の落ち込みを防ぐことが狙いだとしています。政府は、成長戦略の一環としてキャッシュレス決済の普及を目指して
いて、普及が進んでいないとされる地方を中心にキャッシュレス決済の導入を促したいという狙いもあります。具体的にどの
ような店舗が対象になるかや、ポイントがどのようにして還元されるかなどの詳細は今後検討されますが、その効果をめぐって
エコノミストの評価は分かれています。(後略)

キャッシュレス派でも現金払いせざるを得ないシチュエーション (現金いらず.com)
医療費
日本でキャッシュレス派なのにも関わらず、現金払いをせざるを得ない場面、現在の最も投稿が多いのは病院の医療費の支払い。
筆者も実際に悩まされました。クレジットカードも電子マネーも使えない病院多すぎます。国で規制するならまずここでは?
ただクレジットカードも電子マネーも使えないのであれば、(まあ、嫌だけど)諦めも付くのですが、最もめんどくさいのは、
クレジットカードのVISA、MasterCard、JCB、American Express、Dinersなどのアクセプタンスマークがあるのにも関わらず、
「クレジットカードが使えるのは保険外治療のみです」と言われてクレジットカードの利用を断られてしまうパターン。(中略)
市役所・行政サービスの届出・登録・証明などの各種サービス
市役所や行政サービスでの届け出や必要書類の申請は現金払いです。
住民票の写しなどはセブンイレブンにいけばマルチコピー機でnanaco払いで発行できるようになっていますが、市役所内、
行政サービスセンターなどでは未だに現金払いのみです。例えば先日は筆者はとある事情で印鑑登録、印鑑証明書の発行を
したのですが、印鑑証明はマルチコピー機でnanaco払いができるのですが、最初の印鑑登録はコンビニでは出来ないので、
市役所に行って手続きをした結果、#今日の現金払い、となってしまいました。国はキャッシュレスを進めるならまずはここ
から手を付けろよ、と声を大にして言いたいところです。お役所仕事、とはよく言ったものです・・・。(中略)
子供の学校関連費用
筆者は子供がいないので気付かなかったのですが、これも現金のやり取りのオンパレード。例えば、学校の給食費とか、いい
加減現金以外で支払える仕組みが整っても良いと思うのですが。どうやら未だに子供が給食費が入った袋を学校まで持って
いったりするのはあるそうで。他にも何かしらの集金、写真代(カメラマンが撮ったやつを番号で選んで買うやつでしょうか?
古い?)、制服代金、部費なども現金払いしかできなかったとして投稿されていました。制服代とか高いから危ないし、
ポイントもそれなりに貯まるからクレジットカードで支払いたいですよね・・・。
小学生、中学生がときには1万円以上入った封筒持って歩き回るとか危険極まりないですね。(後略)

消費税増税の対策は政府は、来年10月の消費税率10%への
引き上げに合わせて、増税に伴う消費へ
の悪影響を最小限に抑えるための経済
対策を発表しました。対策のなかで最も
注目されるのは「キャッシュレス決済」
でしょう。キャッシュレス決済には、
生産性向上・経営効率化、外国人観光
客の利便性の向上、脱税防止、支払い

ローソン銀行口座のATM利用手数料データの活用などの利点があることから、
「キャッシュレス比率を上げていこう」
という方針を政府は打ち出しています。
韓国ではほぼキャッシュレス、中国でも
急速にキャッシュレス化が進んでいるの
に、日本ではキャッシュレスの普及があまり進んでいないので、国は増税対策として行う
ポイント還元をきっかけに、キャッシュレス化の拡大を狙っているのでしょう。
では、なぜ、日本ではキャッシュレス化が進まないのでしょうか?
その理由のひとつが、現金だけでも困ることがない一方、現金なしでは困ることが起きる
からです。特にキャッシュレス化が進んでいない場所が、病院、役所、学校です!病院で
現金しか使えない現状が続くならば、政府がどんな対策をしようとも、高齢者の現金依存
は解消しないでしょう。病院は、高齢者が自分で支払いをする、最もありふれた場所です。
こうしたなか、15日にローソン銀行が開業しました。セブン銀行と同様で、ローソン銀行
の口座を持っていても、時間外のATMによる現金引出しには手数料がかかります(提携
金融機関の手数料は、これまでどおり金融機関によって異なる)。キャッシュレス化戦略
を打ち出しているローソン銀行ではありますが、少なくとも当初の収益源はATM手数料に
なるでしょう。国債を買うだけでは全然儲からなくなった銀行にとって、ATMでの振込や
時間外の現金引出し手数料は大きな収益源です。現金が減れば、ATMにかかるコストを
減らすことができるのも確かですが、ATMの手数料収入も減ることになるでしょう。
ATMが不要になってしまえば、多くの人は銀行に行かなくなります。
現金派とキャッシュレス派を比較すると、キャッシュレス派のほうが「買い物好き」と
いうイメージがあります。しかし、ATMの手数料を払ってくれるタイプの現金派よりも、
ポイント還元などで少しでもお得になるように工夫しているキャッシュレス派のほうが
節約家であるように思われます。札を握りしめてパチンコ屋やウインズに行って、散財
してくれる人がいなくなれば、いよいよ消費が落ち込んでしまうのではないでしょうか?
国が積極的にキャッシュレス化を進めた結果、見える化による節約志向がさらに強まり、
最後に残った決済システムがアマゾンペイなんてことにならなければいいですけど・・・





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2018_10_17


外国人摘発番組、フジ以外も次々 「排斥運動に加担」 (10月13日 朝日新聞デジタル)
不法滞在などの外国人を摘発する東京入国管理局に密着したフジテレビの番組が、差別や偏見を助長しかねない内容だと批判
された。入管の取材協力のもとで作られた番組は他局でも放送されており、密着番組の危うさを指摘する声が上がる。6日夜に
フジテレビ系で放送された「タイキョの瞬間!密着24時」は、ナレーションによると「法を無視するやつらを追跡する緊迫の
リアルドキュメント」。強制退去をテーマに、「出て行ってもらいます!」との副題で外国人の不法滞在などを取り上げた。
群馬県で不法滞在が疑われるベトナム人らが暮らしているアパート。男性が出てくると、東京入管の職員が声をかける。カメラ
は職員が室内に入る様子を映す。部屋にいた女性が技能実習生として来日したことが分かり、職員が「(実習先から)逃げたね
?」とたずねると、女性は「ごめんなさい」。鹿児島県内の実習先から逃げてきたことは説明したが、なぜ逃げたのかなどには
触れなかった。技能実習制度のあり方などが議論になっているさなかだけに、こうした取り上げ方は「入管に批判なく追従し、
公平性を著しく欠いた番組」などと批判する意見書を弁護士有志がフジに提出した。その一人で外国人の権利問題に取り組む
浦城(うらき)知子弁護士は「日本で労働力が不足している分野の仕事に就いている人も多い。そうした背景や制度の不備に
触れず、在留資格の問題を重大な犯罪であるかのように伝えるのは、外国人への差別、偏見の助長につながる」と指摘する。
フジ企業広報室は取材に「取材に基づいた事実を放送しており、決して外国人を差別する意図はございません」としている。
東京入管に密着した番組は他にも放送されており、いずれも入管がツイッターで放送前から「ぜひご覧下さい!」とPRして
いる。(後略)

外国人労働者拡大 人材難で受け入れ大転換 待遇、治安…課題山積 (10月12日 産経ニュース)
外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管難民法などの改正案骨子が12日、まとまった。大学教授など高度な専門人材に
限っていた受け入れ政策の大転換となる。待遇や治安対策など課題が山積する中、来春の導入を目指す背景には、急ピッチで
進めざるを得ないほど深刻な人手不足がある。「この2年半、全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えている」。安倍晋三
首相は7月、外国人労働者受け入れ拡大の背景をこう説明した。コンビニの24時間営業や運送業の土日配達が中止されるなど、
人手不足の生活や経済への影響は既に顕在化している。要因の一つは少子高齢化。労働力となり得る生産年齢人口(15~64
歳)は毎年減少し、今年1月で初めて全人口の6割を切った。こうした中、外国人労働者は昨年10月末時点で過去最多の
約127万9千人に。永住者や日本人の配偶者らが約35%で最も多いが、労働者として正式に受け入れているのは2割に満た
ない専門的・技術的分野のみ。人手不足は、国際貢献が目的の技能実習生や留学生のアルバイトで補われている実態がある。
このため企業側だけでなく既に外国人が多数生活する自治体も受け入れ拡大に前向きな提言を出していた。だが数十万人単位
での増加が想定され、政府は治安面と生活面の「管理と共生の両立」が不可欠とする。法務省によると、不法残留者は4年連続
で増加。仕事がなくなれば犯罪に手を染めやすいこともあり、新制度で、受け入れ企業側に(1)入国前の生活説明などの支援
実施(2)報酬は日本人と同等-などを必須とした。ただ、あと半年で新在留資格の対象技能分野や、自治体側の受け入れ態勢
も決定しなければならない。異文化共生を受け入れる国民の理解も欠かせず、どこまで環境整備が進むかは不透明だ。

各国の外国人単純労働者受け入れ制度都内のコンビニや飲食店に行けば「日本は既に移民
大国」なのではないかと思ってしまいますが、一方
で「日本は移民を受け入れていない」とも言われて
います。国連の定義では、外国に1年以上住んでい
れば移民として扱われるので、そういう意味では、
既に日本は世界第4位の移民大国だそうです。
現実に、外国人労働者なしでは成り立たない業種も
増えています。特に、人手不足で悩む業界、例えば、
農業、介護、外食、建設、宿泊などは、多くの外国

我が国における国別不法残留者の推移人労働者に日本を選んでもらえるよう、国をあげて
環境を整備する必要があります。ただ、単純労働者
の永住を認めるとなれば、これは大幅な政策変更に
なります。外国人単純労働者を国外退去させられる
権利を国が放棄してしまえば、将来、大不況がやって
きて、路頭に迷う日本人が大量に発生したときに、
外国人労働者が日本人の職を奪っているという批判
が起きるでしょう。外国人労働者を合法的に受け入れ
るのであれば、それとともに、不法残留者の国外退去
も並行して、もっと積極的に進めるべきでしょう。
そうしなければ、外国人単純労働者の増加とともに、
決められた仕事に就いていない不法永住外国人が、
なし崩し的に増えていくことになります。
日本は「不法移民」を受け入ない国であるべきなのです。移民に関する批判的論調が諸外国
から寄せられようとも、日本は独自の立場を貫くべきでしょう。移民問題では、「受け入れ
たかったのは労働力だったのに、やって来たのは人間だった」と言い方がよくされます。
外国人との共生をいかに図るかというとき、最も重要なのは日本国民の待遇改善なのです。
単純外国人労働者の受入れを増やすことと不法残留者を減らすこと、これらを両立させる
ことこそ、日本国民にとっても、日本で合法的に働くことになる外国人にとってもよいこと
であるように思われます。






2018_10_15


世界株安、米株「調整」と中国株「当面弱気相場続く」 (10月12日 MSN JAPAN)
米主要株価指数のダウ平均は、米の金利上昇や米中貿易戦への懸念などで、10日と11日の2日間連続で1300ドル以上値下がり
した。これを受けて、日本、欧州、アジアの株式市場での株価も全面安となった。市場関係者の多くは堅調な国内経済情勢を
基に、米株が調整局面に入っているとの見方が広がっている。いっぽう、中国国内では、市場関係者や投資家などは今後中国株
が一段と低迷するとの悲観的心理が強まっている。
米株 トランプ米大統領は今週3回にわたり米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げについて「速い」と批判した。大統領は11
日、米フォックスニュースの番組で、株式市場の調整局面の主因はFRBの金融引き締めにあるとの見方を示した。大統領は、
外国為替市場において他の通貨に対してドルが上昇しているなか、利上げ政策によって企業の経営環境が厳しくなる恐れが
あると指摘した。FRBは9月26日、今年3回目となる利上げを実施した。米政策金利であるフェデラルファンド金利(政策金利)
の誘導目標は現在2~2.25%に引き上げられた。2007年リーマン・ショックから2015年まで、FRBは景気刺激策として、政策
金利を0~0.25%の水準、いわゆる「ゼロ金利政策」を実施してきた。FRBは同日に発表した声明で、米国経済が堅調であると
あらためて強調した。米市場関係者と投資家の間では、FRBが9月26日に発表した声明について、FRBは12月に今年4回目の
追加利上げと、19年に3回と、20年に1回の利上げを実施すると予測。政策金利は最終的に3.25~3.5%に引き上げられるという。
ラリー・クドロー国家経済会議(NEC)委員長は11日、CNBCの取材に対して、米の経済指標は景気拡大を示しているとし、
「(株の下落が)強気相場における正常な調整だと個人的に考えている」と述べた。インドネシアで開催された国際通貨基金
(IMF)年次総会に出席したムニューシン米財務長官は11日、米国債利回りの急上昇が株価の下落を招いたとの見方について
否定した。米株安について、「調整だ」と示し、「特に驚きではない」と述べた。ロイターによると、JPモルガン・アセット・
マネジメントのチーフ・マッケート・ストラテジストの許長泰(TaiHui)氏は、過去米株の調整局面を分析したところ、米株は
毎回約10~15%値下がりしたとした。米株は先週からすでに約7%下落したことから、今後さらに3~5%の値下がりがある
と推測した。許氏も、米の個人消費信頼感や企業収益が好調であることを挙げ、短期的に米経済が失速する可能性は低いとの
考えを示した。投資家に対して、10日と11日の株安について、過度に反応しないよう呼び掛けた。
中国株 米株市場の下落を受け、中国株市場は11日急落した。主要株価指数の上海総合は前日比5.22%安の2583.46ポイント
で取引を終えた。4年ぶりの安値となった。国内メディアによると、上海と深セン両市場では11日、1100の銘柄がストップ安
となった。また1700の銘柄の下げ幅が9%を上回った。国内市場関係者らは、中国株のさらなる下落に警戒している。金融
情報サイト「鳳凰財経」によれば、香港証券企業、交銀国際控股有限公司のチーフ・マッケート・ストラテジストの洪コウ氏
は、8日から11日まで中国A株式市場は10%値下がりしたと指摘した。今後A株式市場は引き続き軟調な動きを展開していく
との見方を示した。著名な中国株トレーダーで、金融経済評論家の花栄氏は11日の取引中、上海総合が2016年1月末に付けた
2638ポイントの安値を割り込んだため、今後下落のペースは加速し、新たな底値を探る展開となると推測。花氏はテクニカル
分析を行い、上海総合は今後2450ポイント台を試す可能性が高いとした。また、同氏は中国株市場の弱気相場が当面続くとの
見方を示した。中国国内市場関係者の間では、短期間に中国株はテクニカル的な反発があるものの、米中貿易戦、中国経済
への下振れ懸念、米政府が中国を「為替操作国」に認定するなどのマイナス材料が多いため、中国株の悲観的心理が広がって
いる。(後略)(FISCO)

米中衝突を「経済問題」と捉えると見落としてしまう、最も重要なこと (10月11日 isMedia イズメディア)
アメリカと中国の、正面衝突が始まった。
中国からの輸入品に関税をかけるというニュースを聞いたとき、人びとはピンと来なかった。GATTやWTOなど、自由貿易の
時代が長かったからである。リカードは言う、自由貿易はよい。ヘクシャー=オリーンの定理はいう、自由貿易の結果、すべて
の国々が利益を得る。要素価格(地代や賃金)も均等に近づく。アメリカは自由世界の守護神として、自由貿易にコミットして
いると信じられてきた。自由貿易のもとでは、保護関税はルール違反である。中国が、知識財産権侵害などのルール違反を
犯した場合、対抗措置で、制裁関税をかけることはできる。最初、人びとは、アメリカの関税も、こうした小競り合いのたぐい
かと思った。だが、その後の展開をみると、これが、正面切っての貿易戦争(中国つぶし)であることは明らかだ。トランプ
大統領の気まぐれ、ではない。全面対決を辞さない構えで、以下のように、エスカレートの一途をたどっている。(中略)
本格的な米中の衝突になれば、アメリカも損害が大きい。だが、中国の受ける打撃はその程度ではすまない。破滅的だ。
赦してもらおうと思えば、メンツを捨てて、降参する。それができなければ、中国経済は、氷山にぶつかったタイタニック号
のようになろう。いずれにしても、アメリカは、中国という脅威を取り除くことができる。そう、これは、米中「貿易戦争」
ではない。米中「覇権闘争」である。(中略)
米中の覇権争いは、文明の衝突だ
人びとは、米中貿易戦争とよぶ。軍事衝突になると言うひともいる。しかし、軍事衝突にはならない。軍事衝突にならない
と読んでいるから、アメリカは貿易戦争を仕掛けているのだ。これは経済問題ではない。軍事問題でさえない。中国と
アメリカの価値観と行動様式の違いの問題、すなわち、文明の問題である。中国とアメリカは、価値観と行動様式がまるで
違うのだが、中国人がこのことに気がついているとは言えない。アメリカ人も、あまりわかっていない。中国人もアメリカ人
も、自分のことしか知らず、相手のことがよくわからないのである。中国共産党のシステムは、マルクス・レーニン主義とも
異なる独特のものなので、少しだけ説明しておこう。中国社会の基本ユニットを、「単位(dan-wei)」という。工場や学校や
病院や市役所や、すべての事業所はみな単位である。単位には党委員会があって、党が単位を指導する。党委員会は上部組織
につながり、最終的には党中央につながっている。中国の資本主義は、共産党がやっているのである。党は、人事を握って
いる。予算を握っている。資金を握っている。行政と法律と軍事を握っている。中国には「民間」にあたるものがない。この
ような磐石のシステムだから、ベルリンの壁が崩れても、中国共産党はビクともしないのである。中国共産党のシステムは、
伝統中国の儒教的官僚制が、近代資本主義にあわせて変容したものである。高級官僚は市場経済から、いくらでもうまい汁を
吸うことができる。権限が、経済的利益に変換できるからだ。これを腐敗と言うなら、このシステムは腐敗のかたまりである。
アメリカは、このシステムが世界を席捲することが許せない。そんなことは、あってはならないと考える。米中貿易摩擦は、
経済問題ではない。だから、アメリカは妥協しないだろう。中国は、それを理解し始めている。中国がいつ、降参するか。
あるいは、破滅へと突っ走るか。第三の道を切り開くか。世界が注目している。

アメリカの潜在成長率の推移と内訳

10年米国債利回り_2018年

トランプ政権は7月、340億ドル相当の中国からの輸入製品に対して25%の追加
関税をかける措置(第1弾)を、8月には160億ドル相当に対して25%の追加関税
措置(第2弾)を発動しました。そして9月には2000億ドル相当に対して10%の
追加関税措置(第3弾)を発動。中国も報復の追加関税で対抗しています。米中貿易
戦争の長期化が避けられない情勢のなか、中国は様々な手を使って、トランプ政権に
揺さぶりをかけてくるでしょう。そのひとつが米国債を売り浴びせること。これまで、
FRBが政策金利を上げたことで、短期的なリターンを求めて新興国に流れていた
資金のアメリカへの流入が加速し、イールドカーブはフル・フラットから逆イールド
(長期金利より短期金利のほうが高い状態)になるのではないかと思われていました。
逆イールド化は景気後退の先行指標だと思われていますから、長期金利が上がらない
ことに対する懸念のほうが強かったのです。しかし、潜在成長率から考えると3%を
超えないのではないかとみられていた長期金利が上昇し、株価調整?のきっかけに
なりました。2011年以来、FRBは金融政策の正常化を進めており、国債保有の
縮小を進めているなか、米国債に占める中国の存在は大きなものがあります。今後も、
アメリカの長期金利が上昇し続けるようならば、長期資金の調達が困難になり、住宅
購入や設備投資などが減ることで景気が悪くなるかもしれません。中国としては、
アメリカを困らせなければならない一方で、アメリカの景気が悪化すれば、自国への
悪影響も大きいというジレンマを抱えています。今年中にはトランプ大統領と中国の
習近平国家主席の首脳会談が開催されるようですが、お互いが折り合える妥協点を
見出すのは簡単ではなさそうです。
トランプさんは、単に中国とだけ戦っているわけではなく、グローバル化そのものと
対決する姿勢を鮮明にしています。グローバル経済の進展とともに中国は急成長し、
世界全体の経済成長は大きく底上げされてきました。一方で、新興国に工場が移転
されたために、仕事を失うなどした先進国の工業労働者らは、グローバル化への反感
を強めています。もし、トランプさんの試みが成功することになれば、世界各国で、
脱グローバルの動きが国民に支持されるようになるかもしれません。





2018_10_13


孫会長兼社長と豊田章男社長ソフトバンク孫正義氏 トヨタとの提携を生んだ“絶妙投資” 
(10月5日 日刊ゲンダイDIGITAL)
トヨタ自動車とソフトバンクグループは4日、移動サービス分野
で提携することを発表した。共同出資会社を設立し、今年度中
に事業を開始するという。2020年代半ばまでに「移動・物流
・物販」など、多目的に活用できる配車サービスを行う方針。
具体的には、無人のタクシーや自動運転による宅配だ。日本国内
で軌道に乗せ、海外展開も視野に入れているという。車の製造に
とどまっていては取り残される――。トヨタの強い危機感が
ソフトバンクとの提携に走らせた。経済ジャーナリストの井上学
氏が言う。
「いい車を造っていれば売れる時代は終わった。ユーザーの“脱所有”を見越して、トヨタ自ら移動サービスに乗り出して、そこで
トヨタ車を使ってもらうということです。まだ、将来どんなサービスが展開できるのか手探りだと思いますが、さまざまな可能性
を考えて、米の配車大手ウーバーなどと協業するため、ソフトバンクと組むことにしたのです」
ソフトバンクは、米「ウーバー・テクノロジーズ」、シンガポール「グラブ」、中国「滴滴出行」などの配車サービス会社に出資
している。現在、配車サービス会社はライドシェアビジネスが主な収益源だ。トヨタが各国の配車サービス会社と提携を進める
と必ずソフトバンクが株主にいたという。なら、組もうということになり、半年前にトヨタ側が提携を持ち掛けた。トヨタは通信
会社としてではなく、ファンドとしての「ソフトバンク」と組んだのだ。
「ソフトバンクの孫正義会長兼社長は、携帯電話など“本業”の通信事業に興味を失っていて、ソフトバンクは完全にファンド会社
化しています。孫氏は配車サービスの成長を見込んで、ウーバーなどに出資したのですが、今回、そのおかげで、天下のトヨタ
から提携の声がかかったわけです。結果的に、自動運転など次世代通信の新分野にトヨタのバックアップのもと参画できること
になった。目利きがいいというか、ひょうたんからコマですね」(井上学氏)
日本の時価総額1位、2位の日本連合は世界を席巻できるか。

米、EV普及に遅れも トランプ政権の燃費基準緩和 (8月3日 日経電子版)
トランプ米政権が自動車の燃費基準を大幅に緩める方針を打ち出した。電気自動車(EV)などの普及を促すためにカリフォルニア州
などが独自に導入している環境規制も今後は認めない方針だ。仮にトランプ政権が主張を押し通した場合、米国におけるEVの普及
ペースを遅らせる可能性がある。米環境保護局(EPA)と米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は2日、オバマ前政権下で定めら
れた2025年までの自動車の燃費基準を撤回し、21年以降の基準を新たに策定し直すと発表した。燃費基準を全米で統一するため、
カリフォルニア州など約10州が導入している一定割合のエコカー販売を自動車メーカーに義務付ける「ゼロエミッション車(ZEV)
規制」は廃止の方向で交渉を始める。連邦政府と州政府の「二重基準」の解消は、米国の自動車業界団体がトランプ政権に要望
していたものだ。17年の米国の新車販売に占めるEVの比率は1%未満だが、カリフォルニア州は25年に販売台数の22%に相当する
EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの販売を求めている。ガソリン価格は上昇基調にあるものの、米国ではピックアップ
トラックや多目的スポーツ車(SUV)など利幅の大きい大型車の人気が続く。各社は燃費性能の優れたセダン系車種から大型車へと
生産車種の転換を進めている最中で、燃費規制の強化で大型車ブームに水を差したくないという思惑もある。ただ、世界を見渡せば、
厳しい環境規制を敷くことで車載電池やモーターなどを含むEV関連産業の育成を目指す動きが広がっている。中国政府は自動車メー
カーに対し一定割合のEVなどの生産・販売を義務付ける「新エネルギー車(NEV)規制」を19年に始め、17年に約80万台だった
NEVの販売台数を25年には700万台まで増やす計画だ。英仏両政府も40年までにエンジン車の販売を禁止する方針を表明している。
グローバルに事業展開する自動車メーカーは他の国や地域への規制にも対応しなければならず、米国だけが燃費規制を緩和したとし
ても、環境分野への投資を減らすわけにはいかない。米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)
は今年3月に米国で開かれたエネルギー関連イベントで「将来の燃費基準の変更に関わらず、電動化とゼロエミッションへのコミット
メントは揺るがない」と述べている。「トランプ氏の行いは裏切りで、米国人の健康を脅かす」。カリフォルニア州のブラウン知事
は2日、燃費規制緩和の方針に反対する声明を出した。同州に同調する他州とともに、あらゆる法的手段を使ってトランプ政権と
争う考えも示した。だが、決着までには時間がかかる見通しで、米国としての産業政策が定まらない間に技術革新の主導権を
奪われる恐れもある。


コネクテッド、自動運転、EV、自動車業界に与える影響が最も大きいのはどれでしょうか?
最も早く実現しそうなのは「コネクテッド」でしょうか。実際には「実現しそう」ではなく、
盗難車両を見つけるサービスや交通事故発生時の救助システムなどで、既に実用化が進んで
います。自動運転には「コネクテッド」が必要だと考えられているので、自動運転技術が
広がるより前に、クルマのネット接続が進むものと思われます。クルマや人の移動に関する
様々なデータを活用することで、需要と供給を最適化し、「移動」における社会課題の解決
や新たな価値を創造する新事業を展開するというのがトヨタの狙いのようですが、人の移動
に関するデータを得るにはスマホの情報が必要ですから、自動車会社が携帯電話会社と組む
というのは、納得のできる話です。しかし、それならば、トヨタはAUと組めばいいでしょう。
(トヨタは京セラに次ぐKDDIの大株主)。となると、トヨタがわざわざ、ソフトバンクと
組む理由は、やはり「自動運転&ライドシェア」なのでしょう。自動運転とライドシェアは
どちらか一方だけが普及する可能性もあるのですが、はじめに市場導入される自動運転車が
ライドシェア向けになると見込まれていることから、同時に普及するのではないかと考えら
れています。そうなると自動車の保有台数が減りますから、自動車会社には大打撃です!
また、EVの充電時間が長くても、その間に「待つ」必要もなくなりそうですので、自動運転
ライドシェアカーはEVになるでしょう。ガソリン車にとっては、ダブルパンチです。

デロイトトーマツによる販売自動車の種別予測しかし、本当にそんなことが起きるのか?
現実的に考えれば、最初に自動運転が進むのは
トラックやバスではないでしょうか。自動運転
が物流業界に大きな影響を与えることになれば、
物流を利用している製造業やサービス業にも
大きな影響を与えることになるでしょう。
トラックやバスのEV化は容易ではありません
ので、コネクテッド→自動運転→EVシフトでは
なく、コネクテッド→自動運転→物流革命なのかもしれません。そのときは、FCVを忘れては
いけません。FCVの最大の欠点は、設置にコストがかかる水素ステーションの数を増やすのが
難しいことだとされています。でも、路線バスや長距離トラックも走行ルートはほぼ決まって
いるので、乗用車ほどには問題になりません。EVよりもFCVが普及する可能性もあるのです。
20年後も、愛車はハイブリッドやガソリン車かもしれませんよ。






2018_10_11


ネット右翼とオンライン排外主義者ネトウヨ像覆す8万人調査 浮かぶオンライン排外主義者 (10月7日 朝日新聞デジタル)
「ネット右翼」はどのくらいいて、どのような人たちなのか。その実像に迫ろうと、8万人
規模の過去に例のない大規模調査が行われた。ネット右翼と呼べる人たちは全体の1・7%
だったほか、これまで語られてきたネット右翼像とは異なるタイプの「オンライン排外主義者」
が3・0%存在することも浮かび上がった。ネット右翼とは一般的に、保守的・愛国的な政治
志向を持ち、中国や韓国などの近隣アジア諸国に対して排外的な言動を行う人を指すことが
多かった。規模は小さいとされるが、膨大な情報を生み出すことから、その影響力に注目が
集まっている。一方で、ネット右翼の担い手がどんな人たちなのかについて実証的に検証した
ケースは少なく、多様なネット右翼像が流通しているのが現状だ。東北大の永吉希久子准教授
(社会意識論)らのグループが東日本大震災以後の人々の社会活動の変化を調べようと、昨年
12月に「市民の政治参加に関する世論調査」を実施。ネット調査会社を通じて20~79歳
の東京都市圏に住む約7万7千人の男女にアンケートをした。その際、ネット右翼について
調べるための質問も盛り込み、永吉さんが実証的な検証を試みた。(後略)

 <本の紹介> 2018年、国際度量衡総会において、質量(kg)、電流(A)、 熱力学温度(K)、物質量(mol)の
 定義改定が予定されている。その背景にはどのような事情があるのか。単位の定義改定は、私たちの生活にも
 影響を及ぼすのか。本書では、国際単位系(SI単位)で定義されている七つの単位のうち、長さ、質量、時間、
 電気、熱力学温度を取り上げ、精度の高い単位が求められる理由を、科学の進歩と社会的なニーズへの対応と
 いう観点からわかりやすく説き起こす。新しい単位の世界へようこそ。
質量の新定義のために使用したケイ素球
質量
kg新基準、日本など確立…原器の分銅130年で幕 
(2017年10月25日 毎日新聞のニュース・情報サイト)
質量の単位「キログラム」を新しく定義する技術的な手法を確立したと、
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)など5カ国の研究機関が発表した。
約130年間にわたり、パリに保管されている分銅「キログラム原器」が
重さ1キロを示す「物差し」とされてきたが、役割を終えることになった。
来年11月の国際会議で正式に決定される。原器は白金イリジウム合金製の分銅。1889年、メートル条約に基づき作られ、パリの
国際度量衡局で厳重保管されている。質量は一定のはずだが、表面の汚れなどを洗浄するとごく微量に軽くなるなど、精度の信頼性に
課題があった。 産総研などの世界5カ国・8研究チームは「量子力学」の基本的な定数である「プランク定数」を利用し、正確な
質量を導く方法を導入。産総研では均質な結晶構造を持つ半導体材料「ケイ素」を使って、重さ1キロ、直径約9.4センチの球状の
塊を作製した。原子数や原子間距離を測ることで、小数点以下43位までの値を特定することに成功。定数の精度を1億分の2.4
以下まで高めることに成功した。他の7チームが行った定数測定でもこの値と近い結果が得られ、重さの基準を厳密に定める国際的な
水準をクリアしたという。定義が採用されれば、原器は不要になる。産総研の藤井賢一・首席研究員は「日本が単位の基準に関わる
のは初めて。創薬や微粒子を測る環境計測など微量を扱う分野に活用できる」と話す。長さや時間の「物差し」を巡っては、これまで
は実物を基にした定義が尺度とされていたが、最新科学を利用した現代的な定義に置き換えられている。かつては長さにも
「メートル原器」があったが、光の速度で再定義された。「キログラム原器」は人工物としては「最後の物差し」とされていた。

上と下の記事は全く関係のない話なのですが、これが「社会科学」と「自然科学」の実力差
を如実に示しています。上の記事では、「オンライン排外主義者」が4.7%存在するとして
いますが、「オンライン排外主義者」って何者なのでしょう。その定義が変われば、4.7%
という数字も変化してしまいます。自分たちで定義した「質量」では4.7gだった・・・
こういったことは自然科学ではあり得ません。やはり、科学じゃないんですね・・・社会学と
いうのは。学問ではなく、言葉遊び。恣意的なものが入れば、客観性が失われます。
では、自然科学ではすべてが完璧に定義されているのか?そんなことはありません。でも、
その努力は常に行われています。その典型例が単位で、なかでも、質量はその定義が大きく
変わります。質量の基準になっていた国際キログラム原器は廃止され、プランク定数hを通し
て、光子が持つエネルギーと等価の質量に関連づけられる新しい定義に変更になる見込みです。
あの有名なアインシュタインの関係式 E = mc2 = hν が使われます。
プランク定数hとアボガドロ定数NA の間には厳密な関係式が成り立ちますので、原子の数を
正確に数えることでNA、そしてhを定義することができたのです。このように、エネルギー
の一形態とされる質量ですが、質量は物体の動きにくさを示す値でもあり、かつ、「重さ」
を生じさせる値でもあります。キログラムは、とても馴染みのある単位ですが、思った以上
に奥の深い意味があるようです。
自然科学が厳密になればなるほど、社会学の学問としてのいい加減さが目立ちます。個人的
に言わせてもらうと、日本には「排外主義者」は非常に多いと思います。米軍の基地を追い出
そうとする勢力が、日本最大の排外主義集団でしょう。排外主義には、外国製品の国内流入
に対する否定的な態度も含まれます。そうなると、TPP反対など、反グローバリズムの傾向を
持っている人は全員、「排外主義者」の仲間入りです。「領土を返せ」とか「移民反対」と
主張するのも排外主義なのでしょうね。これですと、政治的な発言をして、「排外主義者」で
ない人を探すほうが難しくなってしまいます。逆に、「排外主義者」を旧植民地出身者の国外
追放を訴える勢力に限定して考えるならば、「排外主義者」は右翼のなかにしか、いないこと
になるでしょう。やはり言葉遊びになっているように思いますが、これ以上はやめておきます。
恣意的なレッテル貼りをしたい人によって、「排外主義者」にされたくないので・・・





2018_10_09


 漫画「日本の歴史」に平成登場 「並べると暗い話が…」 (10月6日 朝日新聞デジタル)
 間もなく終わる平成時代が、なじみ深い歴史学習漫画になる。小学館は累計1985万部のベストセラーとなって
 いる「学習まんが少年少女日本の歴史」の20年ぶりの新刊として、10月5日に「22巻 平成の30年」を
 発売する。小学館によると、平成を通史として描く学習漫画は初めて。祖父母宅に帰省した家族の視点から平成を
 振り返る。1989(平成元)年に日経平均株価が史上最高値となった後にバブル崩壊で経済が低迷したこと、93
 (同5)年の細川護熙政権誕生で与党は自民党中心、野党は社会党中心の55年体制が崩壊したこと、95(同7)
 年の阪神大震災、2011(同23)年の東日本大震災など度重なる自然災害が起きたことなどが紹介される。また、
 海外での中国の天安門事件やドイツのベルリンの壁崩壊のほか、直近では安倍晋三首相の経済政策アベノミクスや、
 学生団体SEALDsによるデモなども盛り込まれた。担当編集者の安達健裕さん(52)は「さまざまな出来事を
 並べると政治・経済の混乱や暗い話題が目立ち、慌てて明るい出来事を探しました」と話す。そこで、98(同10)
 年のサッカーW杯初出場や、2011(同23)年のサッカー女子W杯優勝、13(同25)年の東京五輪開催決定
           などスポーツ界の話題に加え、16(同28)年の米・オバマ大統領(当時)の広島訪問などを取り上げた。(後略)

平成の失敗を繰り返さないために『思想』が重要である理由 (9月10日 BLOGOS ブロゴス)
(前略)平成を語る人は多いが、『総括』となると、必ずしも容易ではないようだ。どうしても語る側の価値観や信念が表に出てくるせいか、
違和感のある総括も少なくない。ただ、それでも共通しているのは、平成が失敗、あるいは、衰退の時代だったという認識だ。だが、何が
失敗して、その失敗の本質は何だったのだろう。この点では、議論は錯綜していて、必ずしも収斂しない。あるいは、分析が表層的で、読む
に耐えないものも少なくない。例えば、この時期、世界ではグローバリズム/新自由主義が市場を席巻したことは誰しも認めるところだろう
が、ある人は、その新自由主義を徹底できなかったことが日本の失敗の原因と述べ、またある人は、新自由主義的な政策こそ失敗の原因と
述べる。失敗を真摯に認めて問題点を明らかにすることができれば、失敗は成功のもとにもなろうが、原因を明らかにできずにいたり、問題
に直面せずにほっかむりして知らんふりを決め込むようでは、新しい時代を迎えても、また同じ失敗を繰り返えすだけだ。あるいは、何も
できずにすくんでいるうちに、衰退が加速してしまうかもしれない。平成の入り口の時点で、すでに世界も日本も大きな変化の波にさらされ
ていることは誰もが感じていた。だが、日本では効果的な対策が打てないままに、『失われた10年』が過ぎ、『失われた20年』が過ぎて尚、
いまだに本当に有効な打ち手は出て来ず、平成は失われたままに過ぎてしまったという印象が強い。だが、そうは言っても、様々な改革や
新しい挑戦もそれなりに試みられた時代であったことも確かだ。だが、結果的にはそのほとんどはうまくいかなかった。良かれと思った対策
も、思わぬ問題につまづき、行き詰まってしまった。もちろん、やる前から問題に気づくことは容易ではなく、やって見たからこそ問題点が
明らかになるということはある。だが、そうであればこそ、平成という『失敗プロジェクト』の『失敗の本質』は徹底的に解明しておく必要
があり、それをせずに、また日本人お得意の、『水に流して』しまう、あるいは『問題を先送り』してしまうのであれば、次の時代も平成
以上の『失敗プロジェクト』になってしまうだろう。しかも、次の時代には、少子高齢化や巨額の財政赤字等、スタートラインの時点で、
すでに大きな荷物を背負っているばかりか、その荷物は何もしなくてもどんどん重くなっていくのだ。(中略)
平成という時代の失敗とは何なのか。私は、平成を大きく『3つの失敗』でくくることができるように思う。その3つについては、それぞれ
独立しているのではなく、相互に連関し、より深いレイヤーに共通の『失敗の本質』があると考えられるのだが、まず、『3つ』でくくる
ことで、より具体的にその失敗の全体像を鳥瞰することができるように思う。それは、次の3つである。
1.改革に失敗した政治 (略)
2.世界のIT/デジタル革命から置いていかれた経済
3.宗教や哲学を忌避しすぎて空洞化してしまった思想
 (略)
平成期の経済について否応なく突きつけられるのは、『日本の一人負け』になってしまったという事実だ。平成が始まったころはバブルの
絶頂期ということもあり、日本的経営に対する注目もものすごく高かった。一人当たりのGDPもあと一歩で米国を上回りそうな勢いだった。
日本の電気製品や自動車が世界中を席巻していた。だが、いつのまにか中国に世界第2位の座を譲ったと思ったら、気がつくと今では日本の
GDPは中国の半分だ。一人当たりGDPも下落に次ぐ下落で、2015年には27位(先進国最下位)まで後退した。あれほど世界中に溢れてい
た日本の電気製品も今では見る影もない。『日本的経営』は今では日本経済の足を引っ張る失敗の象徴とみなされるようになってしまった。
そして、この衰退は、世界のIT/デジタル革命の中で、国家としても企業としても適応できなかったことが最大の原因と言わざるを得ない。
1992年の世界の時価総額ランキングを見ると、日本企業が上位を占めていることがわかるが、これを2016年と比較して見ると、時価総額
トップは8倍の規模にまで膨れ上がり、上位には米国のIT系企業が並ぶ。その中に、日本企業の名はなく、代わりに台頭しているのは
中国企業だ。日本企業の中で上位にいるのは相変わらず製造業(トヨタ自動車)だが、時価総額(2017年秋の時点)で比較するとも新興
のIT企業であるアリババの半分以下だ。今や、世界はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)を擁する米国とBATH
(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウエイ)を擁する中国が激突して経済の覇権を争う様相となっているが、そこに対抗できる
日本企業はほとんどない。しかも、今でも世界的な競争力を維持する日本の自動車会社も、IT企業の影に怯え、戦々恐々としている。来る
日本のGDPと国の借金_2018年べき人工知能(AI)の時代を迎える
にあたっても、技術者の質/量、
およびAIを賢くするデータの
質/量という点でも、退勢を余儀
なくされている。(後略)





ポストモダンの思想とは平成という時代に日本で何が起きたか。次の時代
に最も大きな影響を及ぼす出来事といえば、平成
の間、日本がほとんど経済成長しなかったのにも
かかわらず、国の借金は約4.7倍になったこと。
これほど財政が悪化するとは(これほど経済成長
しないとは)、誰も思わなかったでしょう。もう
ひとつ、予想以上に進展したのが、少子高齢化。
思想面では、平成の時代、価値観の多様化が
進みました。既に、「結婚してこどもを生む」は
日本人共通の価値観ではなくなりました。この
ことが、少子化に拍車をかける結果になったの
です。福島原発の事故により、科学技術の進展が
必ずしも人を幸福にするものでないことも明らか
になりました。平成になるずっと以前からポストモダンという言葉はありました。しかし、今でも、
ポストモダンのまま・・・つまり、今の時代を明確に定義できないでいるのです。
これは、人々の価値観が流体力学でいうところの「層流」から「乱流」になったようなものです。
「層流」なら理論的に解析できる流れの様子が、「乱流」になったとたん、カオスになります。
論理の力によってすべてを明らかにできる、もしくは理想の社会を創れると考えたモダンの時代
は完全に終わったのです。「乱流」では決定論が通用しません。決定論とは、あらゆる出来事は、
その出来事に先行する出来事のみによって決定しているという考えかたです。人々の価値観が
多様化すれば、社会の動きは、頭のいい人の考えたようにはなりません。知識人が何を言おうと
も、社会は動かなくなりました。サヨク系の学者や文化人の影響力は小さくなっていくばかり
です。替わって影響力を増したのがネットです。平成の歴史は、ネットの歴史でもあるのです。
ネット上には、単に欲求不満のはけ口が欲しいだけの人もいますが、社会の役に立ちたいけど
目立ちたくはない人もいます。今さらネットの善悪を論じているようでは、既に時代遅れです。
そして、次の時代の主役はAIになりそうです。今後、AIは、社会の様々な分野に、誰も予想
していない影響を及ぼすことになるでしょう。平成の時代、デジタル化で世界に後れをとった
日本が、AIで、さらに世界の流れについていけなくなるのではないかと心配になります。





2018_10_07


本庶さん、ノーベル賞賞金を基金へ 若手研究者の支援 (10月3日 朝日新聞デジタル)
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授(76)が、若手研究者を支援する基金を
京大に設立する意向を示している。朝日新聞の取材に対し、2日明らかにした。ノーベル賞の賞金や、がん治療薬「オプジーボ」
の販売で得られた利益の一部を受け取るロイヤルティー(権利使用料)などを投じるという。背景には、国内の基礎研究費が
低迷している現状がある。「若い人が(研究に)人生をかけてよかったなと、思えるような国になることが重要ではないか」。
京大の2日の会見で、本庶さんはこう語った。基礎研究は、科学者が自身の自由な好奇心や発想に基づいて、新たな自然の原理
などを見つけようとする研究だ。ただ、その成果を短期間で実用化に結びつけにくく、研究費の獲得は難しくなっていると指摘
されている。国から配分され、国立大学が自由に使える「運営費交付金」は、2004年度以降、1400億円以上減った。
この間、基礎研究を支えるもう一つの柱「科学研究費助成事業(科研費)」の増額幅は、450億円にとどまった。中国の急速な
台頭もあり、日本発の学術論文の存在感は小さくなっている。03~05年には年平均6万8千本あった論文数は、13~15年
は6万4千本に減り、国別順位は2位から4位に落ちた。減少したのは主要国で日本だけだ。本庶さんらが発見した「PD―1」
という分子を標的にしたがん治療薬は、すでに年間数千億円を売り上げている種類もある。オプジーボを開発した小野薬品工業
(大阪市)と共同で出願した特許もあり、ロイヤルティーを基金にあてる意向という。本庶さんは会見で、「基礎研究から応用
につながるということは決してまれではない。しょっちゅうあるわけではないが、そういうことがあると実証できた。基礎研究
を長期的な展望でサポートすることが重要だ」と強調した。16年にノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典・東京工業大
栄誉教授も基礎研究の重要性を訴え、東工大が設立した基金に1億円を寄付している。

市民が支える“新しい科学” 研究者だけで進める以上の効果も
国と産業界に次ぐパトロンになれるか (4月9日 ニュースイッチ by 日刊工業新聞社)
研究に一般市民を巻き込む市民参加型の科学が広がりつつある。スマートフォンでハチを撮影して日本全国の生態系を調査した
り、先端デバイスの開発資金を市民から集めたりと、市民が研究開発に関わりやすくなった。国の科学技術政策は実用志向が
強まり、好奇心を基に進める本来の「科学」が萎縮している感もある。市民は、国と産業界に次ぐ科学のパトロンになれるだろう
か。そのためには“学ぶ”科学から“一緒に楽しむ”科学への転換が必要だ。
資金集め、どこも苦慮
「基礎研究はある種のばくちだ。成果ゼロもある。そこに市民を巻き込むのはいかがなものか」−。米カリフォルニア大学サンタ
バーバラ校の中村修二教授は指摘する。実用研究でも萌芽(ほうが)的な研究は当たり外れが大きく、概念実証(POC)が
済んだ技術は市民から集められる資金ではまかないきれないという課題があった。研究開発の成功率が低いからこそ、それを
見極める力のある企業や国がスポンサーになってきた。そんな中、日本では研究財源の多様化が進められている。大学は国から
の運営費交付金に依存しすぎないよう、産業界からの資金集めに奔走する。問題は産業界が支援しにくい基礎科学や学術研究の
財源だ。すぐに稼ぎにつながらない「科学」を誰が支えるか、試行錯誤が続いている。京都大学iPS細胞研究所は2016年度
に23億7000万円、15年度に24億7000万円の寄付を集めた。米国では大学への寄付が節税になるため企業が固定客に
なるが、日本では市民から広く集めるため常に新規開拓を続ける必要がある。山中伸弥所長は「マラソン大会を走るだけでは思う
ように寄付は集まらない。私の仕事の半分は寄付活動に当てている」と明かす。東京工業大学の大隅良典栄誉教授は大隅基礎科学
創成財団を立ち上げて寄付を募っている。資金は基礎科学や若手研究者への支援に当てる。大隅栄誉教授は「寄付を通して科学に
関わり、市民にとって科学を身近なものにしたい」という。一方で「寄付はノーベル賞受賞者など有名人が看板にならないと
集まらない」という声も少なくない。IoT(モノのインターネット)デバイスの開発資金をクラウドファンディングで集めた
研究者は「未来的な製品イメージをみせないと資金が集まらない。だが期待をあおりすぎると成果物とのギャップに憤慨され
クレームにあう」と漏らす。資金調達の実績作りのために目標額を低くすると中途半端な試作品に留まってしまう。参加者を
多く募るほど、市民への説明が研究者の負担になり、クレームを受けるリスクも高まる。大型研究を指揮する東京大学宇宙線
研究所の梶田隆章所長は「(市民からの資金が)メーンにはならないだろう。国の支援は欠かせない」と指摘する。国の研究
資金配分機関と市民、どちらが科学にとって良いパトロンになるのか。ノーベル賞受賞者でも苦労する現状では、金額と
プロジェクト管理の点で研究資金配分機関に軍配が上がりそうだ。
市民参加型の科学隙間時間で古文書解読
この状況を変えるかもしれない兆しもある。研究資金でなく
市民から労力を募るクラウドソーシング型の取り組みだ。
市民の好奇心をモチベーションに、隙間時間などを利用して
研究に参画してもらう。京都大学古地震研究会(中西一郎
京大教授主宰)は「みんなで翻刻(ほんこく)」プロジェクト
を進める。古文書「地震年代記」などの史料をウェブ上で
協力して解読する取り組みだ。市民が休日や平日の手の
空いた隙間時間を使って、古文書のくずし字などを現代の
テキストデータに直していく。参加登録者数は5日昼現在で
3965人、その内317人が実際にテキストデータを入力
した。17年1月からの総入力文字数は442万1127文字で、史料429点の解読が完了した。京大の加納靖之助教は
「これだけの規模の文字起こしは過去にないだろう」という。(後略)

魔の川死の谷ダーウィンの海新製品の開発では、「基礎研究をはじめに
行い、次に応用研究、開発、製造と進み、
最終的に販売活動を通じて市場で利益を
あげる」とする考えかたがあります。この
ような製品開発の進めかたをテクノロジー
・プッシュ型のリニアモデルと言います。
このリニアモデルでは、イノベーションの
起点が基礎研究にありますので、イノベー
ションを促進しようとする経営者や政策の
担当者は、スタート地点である基礎研究を重視するようになります。ところが、成熟社会
の日本においては、顧客ニーズや市場とのコミュニケーションのほうが、基礎研究よりも
重要になっており、リニアモデルでは、期待されたようなイノベーションを創出すること
ができなくなっています。その理由は、魔の川、死の谷、ダーウィンの海で説明されます。
「魔の川」は、基礎研究から出発して、製品化を目指す開発段階に進めるかどうかの関門
のこと。この関門を乗り越えられず、単に研究しましたで終わるものが非常に多いのです。
「死の谷」は、開発段階に進んだ計画が、事業化段階へ進めるかどうかの関門のこと。
この関門を乗り越えられない、つまり、利益をあげられる見込みが立たない計画はここで
死んでしまうことから、死の谷と呼ばれます。最後、「ダーウィンの海」は、上市された
製品やサービスが、価格競争などにより、利益をあげられずに淘汰の危機にさらされる
関門のこと。企業にとっては、最終的に利益をあげられなければ、それまでにかかった
費用はすべて損失になります。大企業でさえ、基礎研究を最終的な利益につなげられなく
なっているのです。国の場合、政府が利益をあげる必要はありませんが、産業振興や福祉
の増進、自然環境の改善など、何らかのリターンは必要で、何の役に立つのか分からない
ものでも、納税者に納得してもらえるものでなければなりません。ただ闇雲に、基礎研究
へカネをつぎこみ続けるのはもう無理。そこで、基礎研究への市民参加というアイデアが
生まれています。しかし、市民にずっと寄付をし続けろというのでは、負担が重すぎます。
そこで提案したいのが、「ふるさと納税」の研究版。名付けて「研究納税」!?納税者が
応援したい研究機関に寄付すれば、その分を控除してもらえるようにするのです(仕組み
はふるさと納税と同じ)。ただ、何を返礼すればいいのか、寄付を受けた研究機関も悩む
でしょうね。京都大学iPS細胞研究所なら、山中所長の講演が聴けるとか・・・





2018_10_05


2018年ノーベル医学生理学賞の本庶佑氏研究成果を基にした「オプジーボ」、副作用少なく多くのがんに効果 
ノーベル医学・生理学賞の本庶佑氏
 (10月1日 産経ニュース)
本庶佑氏の研究成果を基に開発されたがん治療薬「オプジーボ」。従来の抗がん剤とは全く
異なるメカニズムが特徴で、有効性が高く副作用も少ない。多くの種類のがんに効く利点も
あり、がん治療に革命をもたらす新薬として脚光を浴びている。これまでの抗がん剤は、
化学物質でがん細胞の分裂を阻害して増殖を抑える薬や、ホルモンの働きで抑える薬、細胞
の特定のタンパク質を狙って攻撃する分子標的薬の3つに大別される。これらのほとんどは、
がん細胞を直接攻撃するタイプの薬だ。これに対してオプジーボは、人の体が本来持って
いる免疫力を強めることで、がん細胞をやっつける。がんを攻撃するT細胞という免疫細胞
の表面には、免疫を抑えるブレーキ役の「PD-1」というタンパク質がある。オプジーボ
はこの分子に結合し、その働きを阻害することでブレーキを外し、T細胞がきちんとがんを
攻撃できるようにする仕組みだ。このタイプの薬は免疫を監視(チェック)する分子の働き
を妨げることから、「免疫チェックポイント阻害薬」と呼ばれる。平成18年に始まった
オプジーボの臨床試験では、驚くべき効果が明らかになった。皮膚がんの一種で治療が非常に難しい悪性黒色腫や肺がんなどを
対象にした米国の治験で、進行がん患者への有効性を確認。また悪性黒色腫を対象に既存の抗がん剤と比較した治験では、
抗がん剤を使った患者は15カ月後の生存率が20%に低下したのに対し、オプジーボの患者は70%の生存率を維持し、顕著
な効果を示した。オプジーボの特徴はメカニズムだけでなく、効果が長続きすることだ。従来の抗がん剤は最初は効いていても、
使っている途中で効きにくくなり、転移や再発をしてしまうことが多い。これに対しオプジーボは、効く人には最初から効く
ことが多いほか、途中から効果が出たり、使用を止めても効果が続いたりするケースがある。免疫チェックポイント阻害薬の
臨床研究に長く携わる国立がん研究センター中央病院の北野滋久医師は「オプジーボを投与した進行悪性黒色腫患者の約3割は
5年以上の長期間、生存している。これまでの常識では考えられないことだ。従来の抗がん剤では全身にがんが転移したり、
再発したりした患者が治癒するのは極めて困難だが、治る人が出てくるかもしれないとの期待を抱かせる薬だ」と話す。多くの
がんに効果があるのも特徴だ。現在承認されている適応症は悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部がん、胃がん
など7種類。さらに食道、卵巣など10種類以上のがんで臨床試験が行われている。免疫を強める働きがあるため、副作用と
して自己免疫疾患のような症状が出ることがある。だが頻度は低く、脱毛やだるさなどが生じる既存の抗がん剤と比べて症状は
軽いことが多い。免疫チェックポイント阻害薬は、「CTLA-4」という別のブレーキ役のタンパク質を抑える薬が米国で
開発され、先行して商品化された。ただ、単独では悪性黒色腫しか効果がなく、適応症の広さや副作用の少なさでオプジーボ
の方が評価は高い。北野医師は「オプジーボは幅広い種類のがんに効く可能性がある。既に悪性黒色腫では患者に最初に投与
する第一選択薬になっており、肺がんなど複数のがんでも標準的な治療法になっている」と話す。

診療ガイドラインで推奨されている免疫療法免疫療法 もっと詳しく知りたい方へ (7月31日
更新 国立がん研究センター がん情報サービス)
(前略)現状では「免疫療法」はさまざまな治療法を
含んだ言葉であり、有効性が認められているかいない
かに関わらず広く「免疫療法」と呼ばれています。
そこで、この情報ページでは一般的な意味での免疫
療法を「免疫療法(広義)」とし、科学的に有効性
(治療効果)が証明されている治療については
「免疫療法(効果あり)」として、分けて説明して
いきます。(中略)これまでの研究では、残念ながら
ほとんどの免疫療法(広義)では有効性(治療効果)
が認められていません。現在、臨床での研究で効果が
T細胞の免疫抑制を防ぐ仕組み明らかにされている免疫療法は、「がん細胞が免疫に
ブレーキをかける」仕組みに働きかける免疫チェック
ポイント阻害剤などの一部の薬に限られ、治療効果
が認められるがんの種類も今はまだ限られており、
ほとんどの免疫療法(広義)は研究開発中です。現在、
効果が明らかにされ、診療ガイドラインに記載されて
標準治療となっている治療方法は、表2の「1)体内
の免疫(T細胞など)の活性化を持続する(ブレーキが
かかるのを防ぐ)」方法と「2)体内の免疫を強める(アクセルを強める)」方法(図略)の一部に限られます。
1)体内の免疫(T細胞など)の活性化を持続する(ブレーキがかかるのを防ぐ)方法
図4のように、がん細胞が免疫から逃れようと体内の免疫(T細胞など)にブレーキをかけるのを防いで、体内にもともとある
免疫細胞の活性化を持続する方法です。この方法として免疫チェックポイント阻害剤があります。2018年3月現在、一定の
効果があるとされる免疫療法(効果あり)の多くはこの分類に属します。
現在開発中の免疫療法2)体内の免疫を強める(アクセルを強める)方法
免疫細胞を活性化させる物質を投与することによって、
免疫細胞を活性化し、がん細胞を攻撃する治療法です。
サイトカイン療法やBRM療法、がんワクチン療法、
免疫細胞療法などが該当します。2018年3月現在、
サイトカイン療法やBCGを用いた治療は標準治療に
なっていますが、がんワクチン療法や免疫細胞療法
の安全性や有効性は確立されておらず、標準治療
にはなっていません。また、診療ガイドラインにも
推奨する治療として記載されていません。(中略)
免疫療法は免疫チェックポイント阻害剤を含め、
治験や先進医療での検討が進められています。
表5にがん免疫療法ガイドラインに記載があり、
まだ国で承認されていない免疫療法(広義)の
種類を記載しています。これらは「効果があるか
どうか」や「安全かどうか」についてはまだ確認
                               されていませんので、慎重な確認が必要です。(後略)

一口に免疫療法と言っても、実は様々なタイプがあるようです。例えば、患者の血液から
採取したリンパ球を活性化して患者の体に戻す「活性化リンパ球療法」や、がん細胞の
目印(がん抗原)となる物質(ペプチド)を使って、免疫細胞ががん細胞を攻撃するよう
仕向ける「がんペプチドワクチン療法」や「樹状細胞ワクチン療法」など。しかし、多く
の治療で、臨床試験で期待されたほどの成果が出ていません。そもそも、がんは免疫細胞
の攻撃を免れたからこそ大きくなることができたのですから、百戦錬磨のがんを敗者で
ある免疫系で叩くのは簡単ではなさそうです。しかし、免疫チェックポイント阻害剤は、
免疫を活性化する一般的な免疫療法とはちょっと違います。なぜ、がんは免疫細胞の攻撃
を免れることができるのでしょうか。その手法を知り、それを阻害すればいいのではない
か・・・そのような発想から生まれたのが、本庶佑氏の研究成果をもとに開発されたがん
治療薬「オプジーボ」です。もうダメだと思われていたのに、「オプジーボ」で完治した
がん患者さんも多くおられます。本庶氏の研究成果が多くの人の命を救っているのです!
でも一方で、「オプジーボ」が全く効かない患者さんもいるのは、どうしてなのでしょう。
「オプジーボ」が細胞性免疫反応を活発化させることで、キラーT細胞が、特異な抗原を
持つがん細胞を死滅させていきます。しかし、がんが絶滅する前に、がん細胞が更なる
遺伝子変異を起こして、新しい抗原を持つがん細胞になってしまうと、T細胞は新しい
タイプのがん細胞を見逃してしまい、再び、がんの増殖を許してしまうようです。
細菌やウイルスとは異なり、がんはもともとは自分の細胞だったのですから、正常細胞
と見分けるのは簡単ではありません。全てタイプのT細胞をもってしても認識できない
がん細胞が存在している場合は、がん認識センサーを多く持つといわれるNK細胞の
活躍も必要でしょう。NK細胞が関係した治療はほとんど効果を出せていないようです
が、将来は、T細胞でがんを減らし、がんが耐性を獲得する前に、活性化したNK細胞が、
残ったがんを叩く・・・なんてことになったらいいですよね。素人考えですみません。
現段階では、オプジーボがどの患者に効果があるのかを事前に見極めることが難しい
ばかりか、投与後の効果を早い段階で判断することも難しいようですので、これを改善
して、オプジーボが効きそうな患者を適切に判断することが求められています。






2018_10_03


日本メディアが報じない安倍首相「トランプとの夕食会」の深い中身 (9月29日 isMedia イズメディア)
(前略)日米首脳会談最大の焦点とされた自動車追加関税25%発動は回避された。もう一つの懸念であった米国産牛肉など農産品
の市場開放問題についても、過去に日本が締結した経済連携協定(EPA)の水準までしか引き下げないという日本側の主張が受け入れ
られた。今回のトップ会談で安倍首相が提起した「物品貿易協定」(TAG)というワーディングは米側が求める関税を含めた2国間
協議であり、事実上「自由貿易協定」(FTA)と変わりないとの指摘があるが、それはともかく日本にとっては満額回答と言っていい。
だが、日米首脳会談に関する各紙報道を見ると、その実態に迫ることなく、かつアンフェアな報道が散見されたのは残念である。
とりわけ、「朝日新聞」の記事、分析がその典型である。たとえ追加関税圧力を先送りできただけであるにしても、現下の国益と
いう観点からは成功裏に終えた26日の安倍・トランプ会談の前哨戦であった23日夜(日本時間24日未明)の「夕食会」は実に重要な
意味があった。トランプ大統領の私邸であるトランプタワー最上階に招かれた安倍首相は2時間半におよぶ夕食懇談会でかなり踏み
込んだ事前協議を行っていたのだ。この夕食会について同紙(25日付朝刊)は6面にハコモノ扱いでわずか15行の記事を掲載しただけ。
つづく26日の首脳会談についても、27日付夕刊1面に掲載された佐藤武嗣編集委員の解説記事の見出しは「一時しのぎ 日本譲歩」
であり、同紙の論調は一貫して日米首脳会談に冷ややかなものであった。では、事実はどうだったのか。
ヒントは、安倍首相が夕食会を終えてから記者団に語った「通商、投資、貿易などの課題、FFR(日米貿易協議)について、大変建設
的な議論ができた」と語ったことだ。この中の「投資」がキーワードである。(中略)その解は、今回発表された日米共同声明の中
に密かに盛り込まれていると見るべきである。共同声明の5項目に<――米国としては自動車について、市場アクセスの交渉結果が
米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指すものであること>と記述されているが、この行間を読むと、「自動車については
米国内で設備投資、あるいは雇用が増えれば必ずしも米国製車の対日輸出が増えなくてもよい」と、解釈できるのだ。すなわち、
トヨタ自動車であれ日産自動車であれ、米国内に新たに工場を建設するという「約束」を、日米首脳会談に先立つ25日の第2回FFR
で茂木敏充経済再生相がロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表に対して伝えたのではないか。そうでないと、交渉
決裂回避をもたらした日米両国ウィン-ウィンの日米共同声明文(7項目)は事前に準備できなかったはずだ。例えば、中間選挙を前
に大苦戦が伝えられているテッド・クルーズ上院議員(共和党)の地元テキサス州にトヨタが工場建設すると発表すれば、トランプ
大統領は大手を振って「日本とディール(取引)した」とブチ上げることができる。それは日産も同じだ。トランプ大統領はメキシコ
とのNAFTA(北米自由貿易協定)交渉で強引に労働者の時給16ドルへの大幅引き上げを呑ませたことで、同国に北米工場を集中させ
る日産は採算性からも生産拠点を米国内に移転させることを視野に入れざるを得なくなった。こうしたディールによって、米側も
牛肉関税についてTPP(環太平洋パートナーシップ協定)水準で了解したのだ。

「屈従外交」、野党一斉批判=与党は今後の交渉注視-日米首脳会談 (9月27日 時事ドットコム)
日米両首脳が物品貿易協定(TAG)交渉の開始で合意したことを受け、野党各党は27日、政府が拒否している日米間の自由
貿易協定(FTA)と変わりがないとして、「恥ずべき屈従外交」(共産党の志位和夫委員長)などと一斉に批判した。与党側は、
今後の交渉を見守る姿勢を示した。立憲民主党の枝野幸男代表は那覇市で記者団に「理不尽な妥協に追い込まれつつあるのは間違い
ない。大変強く危惧している」と表明。国民民主党の玉木雄一郎代表も同市で「日米首脳の信頼は本当に中身のあるものなのか、
疑念を持たざるを得ない」と述べ、政府に対し国会での早急な説明を求める考えを示した。志位氏は記者会見で「日本の経済主権を
身ぐるみ米国に売り渡す日米2国間交渉には断固反対だ」と非難。社民党の吉川元幹事長は談話で「日本農業に壊滅的打撃を与え
かねない」として合意破棄を求めた。一方、自民党の岸田文雄政調会長は党本部で記者団に「包括的なFTAとは異なるものだ。
これからの交渉の中身を注視していく」と述べた。公明党の山口那津男代表は会見で「わが国の国益に沿って原則が示されている
ので、それをしっかり守った上で実りある協議をしてほしい」と語った。

2015年日本の相手国別貿易収支上の記事を読めば、野党の人気が上がらない原因がよく
分かります。お願いですから、国益のかかった対外交渉
に関して、日本の足を引っ張るのはやめてもらいたい!
トランプさんは脅しだけで「日本の自動車に高い関税を
かけるぞ」と言っているのではありません。もし日本が
何も譲歩しなければ、本当に、しかも今すぐ、自動車に
高い関税をかけるでしょう。もしそうなれば選挙向けに
懲罰的でインパクトの高いものにするはず。具体的には
関税10倍(2.5%→25%)です!
日本の総理大臣が「対等な日米関係を構築する」などと
発言するルーピーじゃなくて本当によかった。

2016年日本の石炭国別輸入比率とは言え、これで問題が解決したわけではありません。
アメリカは貿易赤字を問題にしているのですから、日本
がいくら譲歩しても、これを根本的に解決することには
つながりません。国益を考えても、対アメリカ貿易黒字
が大幅に減少すれば、日本は貿易赤字国になってしまい、
そこから抜け出せなくなるでしょう。上の図で、中国に
対する赤字と香港に対する黒字を相殺してみてください。
日本は、資源やエネルギーを輸入することで生じる赤字
を、アメリカへの輸出による黒字で埋めているのです。
2013年世界の石炭可採埋蔵量
貿易赤字を拡大させないで、トランプさん
を喜ばそうとするならば、アメリカから
資源、特に石炭を輸入すればいいのでは
ないでしょうか。LNGの輸入も悪くはない
のですが、輸送コストがバカになりません。
石炭は、電力向けとして、価格面では最も
優良なエネルギー源です。そのうえ、米国
から石炭を輸入するとなれば、長期的な
安定供給の面からも、安全保障の面からも、日本にとって、都合のよいことばかりでしょう。
とは言え、そうなっていないのには当然ながら理由があるわけで・・・(続く)





2018_10_01


「シンゾーとの友情」トランプ氏、車関税かけず…強硬策防いだ安倍晋三首相 (9月28日 産経ニュース)
安倍晋三首相は今回の訪米で「日米物品貿易協定(TAG)」の交渉開始に応じること自体をカードとした。じらしたうえでの交渉
開始を日本側の「譲歩」という形に見せ、11月の米中間選挙を前にトランプ米大統領に花を持たせるとともに、米国が中身で
強硬策に出るのは防いだ。貿易問題でこれ以上、具体的な対応を引き延ばせば、北朝鮮の非核化や拉致問題への日米協力にも悪影響
が出かねないとの判断もあった。「トランプ政権は韓国、欧州連合(EU)、メキシコと通商の枠組みを見直してきた。この流れの
中で、日本だけがいつまでもゼロ回答とはいかない」
26日の日米首脳会談前、政府関係者はこう指摘していた。その中で今回の会談の結果、日本は自動車関税強化を回避できた。
(中略)「シンゾーとの友情があるから自動車に関税をかけられなかった」
トランプ氏は26日の首脳会談で、首相にこう伝えた。自民党総裁選では「友情」と「国益」は別であるかのような論争もあったが、
貿易協定をめぐる交渉は首脳間の友情が国益に直結する場合があることを裏付けた。

米国の2017年国別貿易収支エスカレートする米中貿易戦争~世界経済に漂う暗雲~ (9月28日 ニッセイ基礎研究所)
予想を上回る速度
米中間の貿易不均衡を巡る対立は予想をはるかに上回る速度でエスカレートしており、世界経済
の先行きには暗雲が漂っている。米中の対立が世界貿易の縮小に繋がれば、世界中の国々が
大きな影響を受けることは避けられない。米国は今年3月下旬に、EUなど一部の除外国を除き、
中国だけでなく日本も含めた国々からの鉄鋼とアルミに対する追加関税措置を発動して世界を
驚かせた。中国に対してはさらに知的財産権の侵害を理由として500億ドルにのぼる輸入品に
対して高関税を課す制裁措置を発表し、4月に入ると中国は鉄鋼輸入制限に対する報復関税を
発動して反発を示す。その後米国が中国による知的財産権侵害に対する制裁関税の対象品目
の原案を発表すると、中国はこれに対する報復を表明した。しかし5月に入ると米中は貿易協議
を開始し、一度は追加関税措置を留保することで合意して貿易戦争のエスカレートは回避された
かに見えた。しかし、6月半ばになるとトランプ大統領は知的財産権侵害に対する制裁関税を発動すると発表し、事態は急速に深刻化
していく。米国は7月には340億ドル分の中国製品に25%の制裁関税を課し、これに対して中国はただちに同規模の米国産大豆や牛肉
などに追加関税を課す対抗措置を発動、8月下旬には米中両国が160億ドル相当の輸入品に追加関税を発動した。9月に入ってからも
24日に米国が2000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税を課す制裁関税の第三弾を発動すると、中国も600億ドル相当の米国製品
に5~10%の報復関税を上乗せする対抗措置を実施して、両国とも一歩も引かない姿勢を示している。 (中略)例えば日本は原油を
輸入に依存しているので、どうしても産油国との貿易収支は大幅な赤字になってしまうというように、二国間の貿易で収支が大幅な
不均衡になることは避けられないというのは常識だ。しかし世界全体に対して大幅な貿易赤字となっている米国が、手っ取り早く赤字
を減らす手段として、二国間で大幅赤字となっている国々との収支を改善しようと考えるのは当然予想される行動だ。 2017年の米国
の国別貿易収支を見ると、対中国の貿易赤字は3752億ドルにのぼり、第二位である対メキシコ貿易の赤字711億ドルの5倍以上の規模
と突出している。中国との貿易摩擦が非常に激しいものとなっていることは、これからみれば当然のことだが、対日貿易も対メキシコ
貿易とほぼ同額の688億ドルの赤字となっており、日本も赤字の縮小を強く迫られている。9月末の日米首脳会談では、農産物などの
関税を含む二国間の物品貿易協定の交渉に入ることで合意し、ひとまず自動車に対する追加関税は回避できたが、トランプ大統領から
眼に見える成果を求められることは必至だ。日本は、米中間の貿易戦争の間接的な影響を受けるというだけではなく、日本自身も
米国の大幅な貿易赤字縮小のターゲットとして、実効性のある対応策を示さなくてはならなくなるだろう。

米国GDPに与える貿易戦争の影響トランプの貿易戦争が大恐慌を呼ぶ現実味
ツケは2020年以降にやってくる    (9月28日 
    PRESIDENT Online プレジデントオンライン)
米国の政権運営は不透明だが、実体経済は好調
米国では、2018年入り後、トランプ政権の政策運営を
巡る不透明感が高まっている。その代表格は、通商面
での保護主義姿勢の先鋭化である。3月には鉄鋼・
アルミニウムに対する関税を引き上げたほか、足元では
中国の知的財産侵害に対する制裁関税を段階的に発動
する途上にある。これに対し、中国が報復措置をとる
など、貿易戦争は泥沼化の様相を呈している。
もっとも、こうした不透明感が高まるなかでも、17年
末に実現した大型減税や18年2月に成立した歳出拡大
法に支えられる形で、実体経済は力強い。家計部門
では、良好な雇用・所得環境に加え、減税も追い風に、
個人消費が堅調に推移している。企業部門では、好調
な内外需要に加え、減税効果もあり、企業収益が改善
するなか、設備投資が活発化している。米国の中央銀行
である連邦準備制度理事会(FRB)は、雇用の最大化と
物価の安定という二大使命をほぼ達成するなか、金融政策の正常化を着実に進めている。先行きを展望すると、貿易戦争による
マイナス影響が懸念されるものの、当面は財政刺激策の効果もあり、年率3%前後の高めの成長が続く見通しである。トランプ政権は、
対中国では知的財産権の侵害や不公正貿易の慣行を是正させるために強硬姿勢を崩していないものの、自動車の主要輸入先である
EUやメキシコに対しては融和的な姿勢をみせるようになっている。今年7月に発表された国際通貨基金(IMF)の試算によると、
広範囲な悪影響が懸念される自動車関税が回避されれば、すでに打ち出されている関税措置や2000億ドルの対中追加関税、相手国
からの報復関税によるGDP成長率に対する下押し効果は、合計で0.2%ポイント程度と、景気への影響は限られる(図表1)。一方、
当面は、大型減税や歳出拡大が景気を押し上げていく見込みだ。財政政策の景気浮揚効果を一定の前提を置いて試算すると、成長率
を18年に0.7%ポイント、19年に0.4~0.5%ポイント程度押し上げる効果がある。ただし、財政拡大や金融緩和の効果は次第に減衰
していく。具体的な成長ペースは潜在成長率、すなわち米国経済が本来持っている実力ベースの成長率である年率2%前後に落ち着い
ていく公算が大きい。こうしたなかで、「偉大な米国」を目指すトランプ政策はさまざまな面で矛盾を抱えて走っており、政策の軌道
修正がないと、20年以降は景気が下振れするリスクが高まる。(中略)トランプ政権が貿易赤字の削減をやみくもに目指した場合、
本格的な貿易戦争に発展し、世界貿易の委縮や、企業のコンフィデンス(心理)の悪化による設備投資の抑制などにより、米国を
はじめ世界経済の失速を引き起こす恐れがある。前出のIMFの試算によると、現在検討が進められている対中関税や自動車・同部品
への追加関税が全て発動された場合、米国のGDP成長率に対する下押し効果は、1年目に0.6%ポイント程度まで大きくなる(前掲図
表1)。さらに、関税による直接的な影響に加えて、貿易摩擦の激化が企業のコンフィデンスの悪化を招いた場合の下押し効果は、
0.8%ポイントに拡大する。さらに、こうしたコンフィデンスを通じた影響度合いは、その時点の経済のファンダメンタルズ(基礎
的条件)に大きく左右される。景気のモメンタムが低下する局面で貿易戦争のショックが加われば、マイナス影響が増幅される恐れ
がある。1930年代の大恐慌は貿易戦争が原因で起こったのではなく、景気悪化時に貿易戦争が起こったことで状況が深刻化したと
いうのが歴史の教訓である。(中略)米国経済がこうした苦境に陥る蓋然性は、現時点ではまだ読み切れない。財政政策、金融政策、
通商政策が複雑に絡み合うだけに、さまざまなシナリオが考えられる。しかし、中長期的な米国経済の下振れリスクは確実に
高まっている。政策運営が不透明ななかでも景気拡大が続けばよいが、最悪のシナリオにも備えておくべきだろう。

貿易戦争の結末はどうなるか?これを予想するのは極めて困難です。
この貿易戦争がアメリカ経済に悪影響を与える可能性はないと断言できる人はいないでしょう。
もしもアメリカ経済が変調をきたせば、その影響はアメリカだけにはとどまりません。
リーマンショックが起きたとき、日本はその影響を他国よりも受けないと言われていました。
なぜなら、バブル崩壊を経験した日本の金融機関はリスクをとることを避けて、サブプライム
関連の危険な金融商品に手を出していなかったからです。しかし、そういうことではありません
でした。世界にばらまかれていたお金はアメリカに戻り、そのお金は日本円での借金の返済に
充てられました。つまりドル高になり、そのドル以上に円は高くなったのです。そのおかげで
日本の輸出関連企業は業績を大きく悪化させたのです。しかし、リーマンショックの影響は、
それほど長くは続きませんでした。先進国が経済の低迷に苦しむなかで、中国経済は真っ先に
回復をなしとげ、世界経済の牽引役になりました。今から考えれば、リーマンショックは一時的
なものだったのですが、これを正確に読み切れた人がどれだけいたでしょうか。実際のところ、
この流れにうまくのった人も、その当時は、何が起こるかなど何も分からなかったでしょう。
全く別の展開になっていた可能性も十分にあったわけで、今回の貿易戦争についても、その
影響を完全に読み切ることは不可能です。
かつて世界市場を席巻した日本の電機産業にとって、リーマンショックは決して一時的なもの
ではなく、大きな構造変化を伴うものになってしまいました。今や、電機産業は、日本の主要な
輸出産業ではありませんし、復活する兆候もありません。もし、今回の貿易戦争によるトラブル
の後、自動車産業が凋落してしまえば、日本の衰退はさらに加速されることになるでしょう。
自動車産業は裾野の非常に広い業種なので、その影響は電機産業よりも大きなものになります。
その自動車産業を支えているのはアメリカの市場ですから、総理大臣の責任は極めて重大です。
まさに国益をかけた戦いなのです。アメリカにとっても、日本とドイツの自動車に高い関税を
かければ、経済に大きな悪影響が出るかもしれません。日本はそのダメージも受けることに
なりますから、なんとしても、自動車への関税強化は回避しなければなりません。





2018_09_29


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書籍の紹介

龍女「みなみ」からあなたへの
不思議なメッセージ集
新感覚のファンタジー!!

書籍表紙

不思議の国の「みなみ」
 宇宙へつながる秘密基地

「みなみ」 今月のメッセージ

動物には、人間のような
時間感覚がない。
つまり、今しかないんです。

プロフィール

舞尾 空

Author:舞尾 空
・性別:男
・年齢:47歳
・職業:サラリーマン
・血液型:O型

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